オバマ前政権のトランプ陣営探りで波紋
Japan In-depth / 2017年4月6日 9時26分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・オバマ政権によるトランプ陣営の個人情報収集疑惑浮上。
・指示はスーザン・ライス大統領補佐官(当時)。
・事態は共和党vs民主党の争いに。
アメリカのオバマ政権の国家安全保障担当のスーザン・ライス大統領補佐官が昨年の大統領選挙期間中から今年1月までトランプ陣営の多数の人物の言動を記録した情報機関の報告書で慣例を破ってそれら人物の個人名をあえて開示する措置をとっていたことが4月3日、米国の複数の報道機関によって明らかにされた。
オバマ政権がやはりトランプ陣営内部の動きに異様な関心を示し、特別な情報収集の措置をとっていたことを示唆する新たな展開として波紋を広げている。
アメリカのニュースメディアのブルームバーグ通信やFOXニュースが3日、報道したところによると、いま論議を呼ぶトランプ陣営へのオバマ政権による情報収集の疑惑に関連して、現トランプ政権の国家安全保障会議当局者たちが今年1月20日までの一年ほどの間、オバマ政権側のFBI(連邦捜査局)、CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)など政府情報機関の集めた秘密情報に登場するトランプ陣営側の人物たちがそれぞれ実名を明らかにして、扱われていることを確認した。
トランプ政権の同当局者たちはこの異例の実名開示がみな当時、オバマ政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)のライス氏の特別の指示でなされたことをも確認したという。
同報道によると、これらの情報収集活動はみな外国の不審な人物など米国当局として監視が必要だとみなした対象に限られており、その情報収集の過程で出てきた疑惑のないアメリカ国民はみな実名を隠して言及するのが慣例となってきた。しかしライス氏はその慣例を破り、トランプ陣営の人たちだけは実名を出して報告書に記載し、政府部内の各機関に配布することを指示していたという。
オバマ政権に近かった民主党議員らはこの実名の開示が異例であることを認めながらも、違法ではないとして不正を否定している。しかし議会の民主党ライス前補佐官の措置はやはりオバマ前政権によるトランプ陣営の情報集めの不適切さを表わす実例であり、違法の可能性も濃いとして追及の構えをみせ始めた。
トランプ陣営への盗聴、傍聴の疑惑騒ぎは共和、民主両党の争いとなって、これからまたエスカレートしそうになってきた。
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