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「圧倒的に勝つ」アイスホッケー女子日本代表その5

Japan In-depth / 2017年4月7日 11時0分

足立は、一昨年、結婚して現在はプリンスホテルでの会社員としての仕事、スマイルジャパン、西武プリンセスラビッツのアイスホッケー選手、新妻としての家事と、3足のワラジを履きこなすスーパーウーマン。

もちろん、足立だけではなく、アイスホッケーという過酷なスポーツを続けていく人並み離れた努力と根性を持ち、そして、それでも笑っていられるスマイルジャパンの選手たちは、本当に素晴らしい。日本オリンピック委員会が推し進める就活プロジェクト“アスナビ”でも、スマイルジャパンのメンバーの内定率は、他の競技を圧倒する。多くの選手たちが競技者として、また、一人の女性としての生き様を模索する。

足立もパートナーへの感謝の気持ちをしっかりと口にする。小野も既婚だ。少しずつ選手個人を取り巻く状況も変化していく。

今後、結婚、出産、子育てと、競技の両立を目指すための環境整備も重要になって来る。現在、子育てと両立させながら全日本レベルで選手生活を続ける何かしらのシステムがあるのは、国内ではサッカーとラグビーのみ。
今後は、日本アイスホッケー連盟にも検討して欲しい重要なポイントだ。

そして、もう1つ。次世代へのバトン―。

■バトンを繋いでいく

五輪出場を賭けた戦いには、多くのスマイルジャパンの卵たちも駆け付けていた。目を輝かせ、自分と同じポジションの選手や憧れの選手を、必死に目で追いかけていた。彼女たちの瞳は常に輝き、お腹の底からスマイルジャパンに声援を送っていた。
現在のメンバーの活躍、五輪出場、世界選手権トップディビジョン復活などは、全て、次世代の夢を乗せている。

「負けられない。負けられたら、アイスホッケーから皆が離れていってしまう」(主将・大澤ちほ)

誰よりも、今のスマイルジャパンのメンバーたちが、その事を自覚し、負けられない戦いにのぞんでいる。

フランス戦に観戦に来た、一人の少女の作文の一部を紹介する。

二月十一日
わたしは、日本代ひょうチームのしあいを見ました。ほっかいどうのとまこまい市にいきました。
あいての国は、フランスでした。日本のおうえんだんが、とってももり上がっていました。日本のせめは、パスがとてもはやくて、ゴールキーパーはかまえがかっこよかったです。しあいは、1−4でかちました。
とってもかっこよかったです。またかってほしいです。

大澤たち、現在のスマイルジャパンたちの勝利は、彼女たちだけのものではない。多くの先輩が、主催国とはいえ、長野五輪で初出場を果たした、いや、その前からひたむきにプレーを続けて来た。その先輩プレーヤーから受け継いだ多くの伝統を守りながら、更にパワーアップを図っているのが、今のメンバー。

そして、遠くない将来に、また、そのバトンを受け取って、飛躍していく未来のスマイルジャパンたちに、夢を繋いでいかなければならない。

上の作文を書いた7歳の少女は、この試合後、ゴーリー(注:ゴールキーパーのこと)に転向した。

平昌五輪まで10ケ月。
彼女たちの闘いは、終わることはない。           

(文中敬称略 このシリーズ了。その1、その2、その3、その4)

トップ画像:大人と子供のような体格差がある日本とドイツの選手 (公益財団法人苫小牧市体育協会 提供)

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