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ようやく「大統領」になったトランプ

Japan In-depth / 2017年4月12日 11時0分

シリアの勢力争いはあまりに複雑過ぎ、理論的な議論ができないほど難しい問題でもある。

■好意的な意見も

そんな中、シリアと近い、中東や東ヨーロッパ出身のアメリカ人たちの中には、普段トランプ支持ではないにもかかわらず、今回の攻撃には好意的な人が多い印象だ。40代のアルバニア出身男性は、「ロシアなど関係国ともっと時間をかけて事前に話し合うべき」としつつも、「化学兵器使用への抗議としては必要な空爆」と語る。同じく40代のトルコ出身男性は「アラブの春を仕掛け中東を混乱させたアメリカには、中東問題に関わっていく責任がある」と語る。

■トランプはようやく大統領になった

イギリスの電子メディアindy100によると、「シリア人たちは、トランプ氏支持を表明するため、自分たちのツイッターのプロフィール写真をトランプ氏の顔写真に変えている」という。中東問題に詳しい専門家ファリード・ザカリア氏は、数日前まで、「トランプは口ばかりで実際には何もしていない」と批判していたのに、シリア空爆後、テレビで「これで彼はアメリカの大統領になった」と褒めていたのも印象的である。アメリカの新大統領はオバマ氏とは違うと言う、アメリカの新外交を見せつける機会になったということである。

これに対し、7日付けの「ウォール・ストリートジャーナルで中東問題専門のコラムニスト、ヤロスラフ・トロフィモフ氏が7日付けのコラムで指摘し興味深かったのは「オバマにできなかったことをトランプ氏がやった訳ではない」と言うことだ。

2-013年当時アサド政権は、アメリカが攻撃すれば大きく揺らぎかねない状況であり、アサド政権なき後を誰がどう担うのかという計画無くして介入することは、大混乱を招く可能性があった。それに対し、現在のアサド政権はロシアの後ろ盾を得て、当時より格段に勢力を盛り返しており、今回のような小規模の空爆ではビクともしない、つまり今後に責任を取ることなく、アメリカの意思表示をすることはある意味簡単だったという見方である。

大統領選でのロシアの干渉問題や縁故採用問題などで連日メディアから批判されてきたトランプ氏にとっては、一気に大統領らしさをアピールする絶好の機会だったというわけである。

9日付けのワシントンポスト紙では、コラムニスト、アン・アップルバウム氏は「トランプのシリア攻撃によって変わるものは何もない」と題し、メディアが大騒ぎしているが、大統領には何の策もなく、ただの人気取りに過ぎない」と痛烈に批判する記事を寄稿している。

選挙戦の時と同じように、メディアも国民も、トランプ氏が次々と仕掛ける新しいニュースに惑わされ、真に重要な問題を追求し忘れることのないようにしたい。

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