「アサシン」は実在したのか 暗殺の世界史その7
Japan In-depth / 2017年4月15日 18時0分
そうした事態に直面した将兵が、姿の見えない敵に怯え、暗殺教団が暗躍している、と信じ込んだとしても、これまた驚くには当たらない。ただ、もともとイスラム社会に暗殺教団のごときものが存在したか否か、これはまったく別問題だ。
日本人について「サムライ・ハラキリ」のイメージが広まったのも、19世紀後半=幕末の一時期に「尊皇攘夷」を呼号して、西洋人にテロを加えた集団の存在によるところが大きい。そんな日本人は、当時でも総人口の1%にも満たなかったのだが、イメージとはそうしたものなのである。
話を戻して、現在でも西洋キリスト教社会は、イスラム過激派によるテロの脅威に直面しており、米国トランプ政権に見られるような、イスラム差別と言われても致し方のない「テロ対策」が試みられたりもしている。
しかしながら、十字軍による侵攻がなかったら、多分に伝説的な暗殺教団の存在が人口に膾炙するようなことはなかった。今さら十字軍を糾弾して、どうなるものでもないことは百も承知で、あえてこの問題に言及したのは、宗教的正義というものが、これまでいかに多くの犠牲を産んできたか、考えようではきわめて怖ろしい概念か、日本の読者とともに、少し考えてみたかったからである。
先日TVを見ていたら、イースターなんとかという商品キャンペーンのCMが流れていた。ハロウィンの次はイースター(復活祭)を盛り上げようというわけか、と苦笑せざるを得なかったが、そのように宗教に対して無頓着でおられるのは、今の日本人以外にあまりいないのだということを、まずは知らなければならない。
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