タイ激震 首相暗殺計画発覚
Japan In-depth / 2017年4月16日 11時0分
現在のタイの政治権力構造は、ワチラロンコン新国王と軍政の間で民政復帰のプロセスや国王の権限問題で「静かな対立状態」(地元紙記者)にあるとされ、早期の民政復帰実現を求めるタクシン派と時間をかけて民政復帰を進めたいとする軍政が対立関係にあるという。
問題はワチラロンコン国王とタクシン元首相が親しい関係にあり「反軍政で密かに連携を取っているのではないか」との情報があることで、軍政としても「絶対的存在」である国王の支持を取り付けながらも民政復帰に時間をかけることで軍政を「延命」させる道を模索している。
プラユット首相の軍政は民政復帰のプロセスの中で「軍部による政治介入を防ぐ法的な整備が必要でそれに時間がかかっている」と説明している。しかし、「軍部による政治介入」つまりクーデターは現軍政が政権を掌握する際に用いた手段であり、タイではたびたび繰り返されてきたいわば軍による「伝家の宝刀」。それを軍政自身が封じ込める法整備をしたところで「ほとんど意味がなく、軍はいつかまたクーデターで政治介入するだろう」というのが国民の共通理解となっており、軍政の思惑への理解はほとんど得られていないのが実態という。
■真相解明どこまで進む?
今回の「軍政トップの暗殺計画」については活動家の自宅から発見、押収された武器類が新品同様だったことから軍政による「でっちあげ」の可能性がタイの一部メディアからは指摘されていた。しかし警察は「単に武器などの保管状態が良好だったのが(新品同様の)理由である。マスコミ注視の中で行った捜索であり、でっちあげは不可能」と疑惑を完全に否定している。
その一方で地元紙「ネーション」は4月10日、インラック元首相が中央行政裁判所に請求していた「在職当時の米質入制度に関する不正でインラック元首相に出されていた357億バーツの損害賠償命令の差し止め」が却下されたことを伝えた。インラック元首相の法廷闘争は厳しい局面を迎えつつある。
軍政が依然として北東部ウドンタニ県などの農村地帯での影響力が強いタクシン、インラック両元首相とその支持勢力を窮地に追い込みたいのは事実で、コティー氏自身は2014年5月に自宅から逃走しており、身柄拘束には至っていないこともあり、「暗殺計画」の真相解明はタイ国王を巻き込んで複雑化するタイの権力闘争の中でどこまで進むかタイ国民も注目している。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
トランプ氏暗殺未遂だけじゃない 専門家「むしろ欧州の方が懸念が高い」“政治家への暴力”が増加した背景【風をよむ】サンデーモーニング
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月21日 13時38分
-
チャールズ国王 暗殺未遂事件に遭ったトランプ前大統領にプライベートメッセージを送る
東スポWEB / 2024年7月16日 13時35分
-
英チャールズ国王、暗殺未遂事件のトランプ氏を見舞う手紙を送る BBCが報道
日刊スポーツ / 2024年7月16日 13時28分
-
マレーシアとタイがBRICS加入へ、背景に現行国際秩序への不満―香港メディア
Record China / 2024年7月15日 9時0分
-
[社説]トランプ氏暗殺未遂 民主主義否定する凶行
沖縄タイムス+プラス / 2024年7月15日 4時0分
ランキング
-
1米国初の女性・アジア系大統領を目指すハリス氏、手腕には厳しい評価も
産経ニュース / 2024年7月22日 19時11分
-
2バイデン氏の撤退決断、米主要紙が評価 「勇気ある選択」「米国の最良の利益」
産経ニュース / 2024年7月22日 19時34分
-
3北朝鮮エリートの脱北ラッシュ、なぜ外交官なのか…海外生活で「目覚めた」
KOREA WAVE / 2024年7月22日 16時30分
-
4バングラ学生デモの逮捕者500人超に 死者163人に 警察発表
AFPBB News / 2024年7月22日 20時38分
-
5南シナ海で「屈服せず」 比大統領、緊張緩和模索も
共同通信 / 2024年7月22日 22時59分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)