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有事の今こそ拉致被害者救出を

Japan In-depth / 2017年5月2日 10時13分

・平壌に大使館がある24か国と1地域へ、有事の際に邦人保護を議員外交で頼むこと。

さらに山谷氏は、「平和安全法制が成立できているので、だいぶ整備と訓練の充実はできているが、自衛隊が北朝鮮に入ることは難しい。(邦人保護は)米・韓軍に頼まなければいけないので、その辺りは総理が緻密にやっている。」と述べ、政府として邦人保護に向けあらゆる外交的努力を行っていることを強調した。

■必要なのは対北朝鮮包囲網

次に細川氏は「拉致被害者の救出に関して、過去北朝鮮が譲歩したのは、アメリカ、あるいは世界からのプレッシャーがあった小泉元総理時代で、その時拉致被害者5人の帰国が実現できた。今この機を逃してはいけない。」と述べると共に、「今の米中露の包囲網の中で日本が拉致被害者を取り戻すためにできる交渉はどういうことか。」と聞いた。

山谷氏は、「政府はずっと対話と圧力、行動対行動という原則のもとにやってきたが、今こそ対話と圧力、圧力と対話ということだろうと思う。」と述べ、圧力が重要だとの考えを示した。

日本は北朝鮮に対し、国連の制裁に加え、拉致問題の存在があるがゆえの独自の制裁を行っている。拉致被害者の家族会・救う会は「独自制裁の部分を、拉致被害者を全員返すならば外してでも、交渉の窓口を作り実質的な2国間交渉に入ってほしい。」と訴えており、総理もそのことを聞いていると山谷氏は述べた。

また、山谷氏は、国連が拉致問題の責任者を国際刑事裁判所に訴追することを検討せよとの決議を総会に出した(2016年12月19日採択)ことや、3月の国連人権理事会で国際刑事裁判所に付託するための国際刑事専門スタッフを充実させる決議が通過したことなどを明らかにした。その上で山谷氏は、そうした「国連、国際社会の包囲網」に加え、さらに米中首脳会談を終えた「中国の出方」に着目している、と述べた。

■拉致問題を置き去りにするな

現在アメリカでも北朝鮮をテロ支援国家に再指定しようという動きがある。「そこに必ず拉致問題ということも入れて、とにかく拉致問題を置き去りにさせない圧力を作っていくということが大事だと思う。」と、述べた。

細川氏は、「北朝鮮情勢が落ち着いてしまうと拉致被害者の帰国がより難しくなるという最悪のケースもある。今、安倍外交が本当に試されている。」と述べると共に、核やミサイルの脅威だけでなく拉致問題も存在する、という情報「発信」も必要だと述べた。

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