トランプ政権「終わりの始まり」
Japan In-depth / 2017年5月17日 7時49分
〇欧州・ロシア
14日にマクロンが仏大統領に正式に就任する。世論調査によれば、マクロンに投票した有権者の半分以上はユーロ圏離脱、保護貿易主義、移民流入阻止などの政策を主張したルペンの当選を阻止するために投票したと答えたそうだ。逆に言えば、マクロンに対する支持は未知数ということか。これでは先が思いやられる。
〇東アジア・大洋州
14-15日に北京で「一帯一路」首脳会議があり、ロシア、インドネシア、イタリア、フィリピンなど29カ国の首脳が参加したそうだ。だが、日本のメディアも、中国が力を入れている割には「一帯一路の投資は盛り上がらない」と報じている。ようやく、一帯一路政策の問題点が見えてきたようだ。
一帯一路は収益率が低い割りにリスクが高い。民間企業は二の足を踏み、大半は国有企業による投資だ。中国経済の構造矛盾は深まり、先行きが不安だ。更に、途上国インフラ投資で融資対象になり得る案件は非常に少ないというから、やや期待外れか。「一帯一路」政策は意外に早く萎むかもしれない。
〇中東・アフリカ
16日にシリア和平協議が再開されるが、事態が進展する見込みは全く立っていない。米国のトマホーク攻撃で事態が動くかと見る向きもあったようだが、結局は線香花火。トランプ政権が本気で地上軍を入れるなど軍事介入を強める兆候は見られない。どうやら、今年もシリアに和平は生まれそうにないということか。
〇南北アメリカ
コーミー元長官は大統領選でのトランプ陣営とロシア政府の接触・共謀疑惑につき、昨年7月に犯罪捜査に着手していたそうだ。トランプ氏は「どっちみち私はコーミーを更迭していた。彼は、目立ちたがり屋で、スタンドプレーヤーだ。FBIは混乱していた」と語ったそうだが、こうした説明はお粗末である。
トランプ氏によれば、「コーミーは良い仕事をしなかった」から解任されたという。12日朝、彼は大統領選へのロシアの干渉に関する捜査を「魔女狩り」と呼んだ。同時に、トランプ氏は今後記者会見を取りやめる可能性にも言及している。こうした混乱はトランプ政権の「終わりの始まり」を意味するのか。
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
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