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「一帯一路」中国の野望の真実

Japan In-depth / 2017年5月23日 8時25分

国営テレビは約40分間もこの様子を中継で伝え続けた。しかも、同じ儀式は各国首脳たちが会場に入るたびに、2日間で2度、繰り返された≫

要するに中国政府は自国を皇帝の立場においての各国首脳の朝貢外交ぶりを自国民に流していたのだ。同記事によると、しかも記念撮影の会場の壁には毛沢東の「中国の美しさの前にはどんな英雄も頭を下げる」という趣旨の言葉が書かれていたというのだ。

 

■中国の伝統的安保観

朝日新聞のこの記事はさらに次のように述べていた。

≪こうしたやり方は中国の伝統的な安全保障観に合致したものだと言えるかもしれない。古来、中国の皇帝は周辺の国々に経済的な恩恵を与えることと引き換えに、緩やかな従属関係を求め、これによって中国への侵略を防ごうとした。言うことを聞かない国に対しては交易を止め、経済制裁を科した≫

 

■本音は「政治と軍事」

そのうえで同記事は中国政府シンクタンクの研究者の「中国は外国に対しての戦略では4は経済、3と3が政治と軍事という構成要素で臨むのだ」という言葉を紹介していた。

つまり政治や軍事という本音で臨むと、相手国の国民感情を傷つけるかもしれないから、経済という建前を前面に出すのだという。しかし現実には政治と軍事を合わせれば6であり、経済の4よりもずっと大きいことになるわけだ。

という趣旨で同記事は次のように結んでいた。

≪一見、経済重視ではあるが、実は政治・軍事の比重の方が大きいということだ。習氏は「もの言わざれども」一帯一路構想における本音はこの辺にあるように思えてならない≫

要するに中国の一帯一路での真実の狙いは実は経済にあらず、政治や軍事という面で他の諸国を中国に従属させることなのだろう、という指摘だった。だからまさに的を射た記事だなと感じた次第である。朝日新聞もゆがんだ記事ばかりではないという例証だといえよう。

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