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米「パリ協定」離脱=世界の終焉ではない

Japan In-depth / 2017年6月3日 18時57分

(2)のパリ協定自体への疑問はアメリカの保守派では一致していた。保守派の間ではそもそも地球温暖化自体への疑問、さらには地球温暖化を認めても、その原因が人間社会が排出するガスが主体だという分析への疑問、さらにはパリ協定の内容が不公平だとする非難が年来、絶えていなかった。

(3)の疑問への確実な科学的根拠に依拠する回答は存在しないといえよう。トランプ大統領も地球温暖化という言葉が象徴する気候変動や環境問題全般への配慮は強調している。だからパリ協定から離脱しても、その協定の内容を改善するための再交渉には応じるとも述べている。環境保全のための措置も十二分にとっていくと公約している。だから今回の動きによって「地球の危機」が一気に出現するとわけではないことは確実だろう。

アメリカ国政のレベルでもトランプ大統領の今回の措置は議会両院の共和党議員の多くからは賛同を得ている。その背景には民主党のオバマ大統領がパリ協定へのアメリカの参加を議会にまったくはからずに決めたことへの激しい反発もあった。

だから以上のようにトランプ大統領の今回のパリ協定離脱は同大統領なりに、そして同大統領を支持する保守派なりに、地球温暖化問題への長年の取り組みの結果なのである。

この動きを単に「暴走」「秩序破壊」「地球の危機」などとして受け止めることは早計としかいえないようだ。

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