ISテロ、世界に拡散加速
Japan In-depth / 2017年6月27日 18時0分
●日本がモデルケースとすべき国としては、常にその種の脅威に晒されているイスラエルがベストだろうが、彼らのやり方は今の日本には高度すぎ、高価すぎるかもしれない。
●頻発するソフト・ターゲット攻撃への対抗策は、はっきり言ってない。テロリストは卑劣な連中で、最も脆弱な標的を最小のリスクで狙い、最大の恐怖と衝撃を与えようとする。狙われないように普段から抑止していくしかない。
●五輪を控える日本でも、狙われたら防ぎようがないので、これまで以上の厳しい対テロ抑止策、防衛策、情報分析などが求められるのだが、日本の一般市民の意識がそこまで高まっているようには思えない。
〇欧州・ロシア
1日からエストニアがEUの、ハンガリーがビシェグラード4(V4)のそれぞれ議長国となる。V4は1991年2月、チェコスロバキア、ハンガリー・ポーランドという中欧3か国で設立。チェコスロバキア分離後はチェコとスロバキア両国ともグループに参加した。
これらの4か国は2004年5月にそろって欧州連合に加盟しており、それなりの影響力を持っている。エストニアもハンガリーも最近訪問したことがあるが、いずれも強かで、よく頑張っている。あまり目立たないが、要注意だ。
〇 東アジア・大洋州
26日にモンゴルで大統領選挙がある。与党人民党の候補が優勢だったが、野党民主党で柔道連盟会長の候補が若者の支持を伸ばし、接戦となっている。人民革命党も候補者を出しているので、場合によっては決選投票の可能性もある。
それにしても、モンゴルで健全な民主的選挙があるとは、実に素晴らしいことだ。民主的に選ばれたという点では、28日に韓国の新大統領が訪米する。中国、米国、日本、ロシアと北朝鮮、バランスを取るのが実に難しいようだ。
〇 中東・アフリカ
イラクについてもう一言。アラブ人には希望と事実の区別がつかない人が少なくないが、イラクのアバディ首相もその一人かもしれない。先日同首相は、現在最終段階にあるといわれるイラク北部モースルの奪還作戦が「あと数日で終わる」と公言した。
ラマダン明け祭日中にも発表したかったようだが、現実はそう甘くないようだ。モースルを奪還しても、イラク正規軍と、イランに支援されたシーア派ミリシアと、クルドのペシュメルガがほぼ同時に街に入る。全く新しい問題が生じることだけは間違いないだろう。イラクの混乱に終わりはない。
〇 南北アメリカ
もうトランプ政権のことを書くのも飽きてきた。今週は珍しく、トランプ関係ニュースが少ない。それでも先週のワシントンポストの記事は強烈で、CIAのYour Eyes Only超機密情報によれば「プーチン大統領自身が米大統領選挙への干渉を命令した」という。これでも、トランプ氏はメゲナイ。大したものである。
〇 インド亜大陸
26日から米印首脳会談がワシントンである。トランプ氏の対インド観は如何なるものなのだろう。興味深いが、あまり期待すべきではないかもしれない。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトのウェブサイトに掲載する。
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