自民惨敗の夜にフレンチ。安倍首相の感覚に?
Japan In-depth / 2017年7月6日 23時0分
山田厚俊(ジャーナリスト)
「あの人の感覚を疑うね。今後の政権運営について意見交換するなら、もっと目立たない場所ですればいい。こういうことからして、国民感情と乖離していると指摘されるんだ」
こう語るのは、自民党関係者。かつて、ご意見番として鳴らした重鎮議員の秘書を長く務めてきた方だ。この関係者が憤慨する相手は、安倍晋三首相である。
7月2日、東京都議会議員選挙の投開票日。午後8時を回るとマスコミ各社は一斉に自民党惨敗、小池百合子都知事率いる都民ファーストの会圧勝を報じ始めた。
その中、安倍首相は、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、さらに甘利明前経済再生担当相とともに都内のレストランでフランス料理を食事しながら、会談したというのだ。
「食事を楽しんだ、というわけじゃない。メシを食うな、とは言わない。しかし、そんな悠長な感じで打ち合わせなんて、何も分かっていないと国民から見られても仕方ない」(前出・自民党関係者)
というのも、都議選最終日の1日、安倍首相はJR秋葉原駅前で街頭演説した際、「安倍辞めろ」コールが鳴り響いた。それに対し安倍首相は「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と叫んだのだ。騒然とする秋葉原。
聴衆の一人は、「とても一国のリーダーとしての演説とは思えない。有権者に向かって、あの言い方はあまりにも不遜。これじゃ、誰も自民党に投票しようなんて気にならないのでは」と、憤った。
結果はその通りとなったわけだ。豊田真由子氏の暴言・暴行問題、稲田朋美防衛相の「自衛隊としてお願い」発言問題、下村博文幹事長代行の「加計学園闇献金」問題といった国会議員の度重なる“オウンゴール”とともに、国会で安倍首相の加計学園問題に対する説明、共謀罪法案をめぐる拙速で強引な審議に有権者は疑問を抱いていた。にもかかわらず、さらに自ら聴衆に逆ギレしてみせたのだから、党内でも目を覆いたくなる「最終日」となり、結果は予想を超える惨敗となった。
それをフランス料理でのんびりと会合では、「もう政権末期どころの話じゃない。自民党自体が壊滅の危機だよ」(前出・自民党関係者)との嘆き節も無理からぬ話。いよいよ政局の季節到来ということか。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
高市早苗氏の総裁選禁止行為に岸田首相が“追加対応”要請 激オコ「サナエ応援団」に共感が広がらないワケ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月18日 14時3分
-
自民党総裁選で注目の石破茂 ×立民・ 野田佳彦が対談で語った「きちんと議論する国会を取り戻す」覚悟
日刊SPA! / 2024年9月7日 8時42分
-
人気の小泉か経験の石破か──自民党「生まれ変わり」への本気度を問う
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月6日 16時15分
-
派閥解消後の自民党総裁選、勝者が直面する「有事」の現実とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月5日 15時40分
-
いまの政治家は巨大地震が起きても何もできない…「国民のために必死に働く政治家」が減った根本原因
プレジデントオンライン / 2024年9月2日 9時15分
ランキング
-
1「自分の選択すべき道しっかり考える」斎藤兵庫知事、NHK番組に生出演、進退明言せず
産経ニュース / 2024年9月20日 20時32分
-
2大分、北海道の原告が和解=強制不妊、合意後初―地裁
時事通信 / 2024年9月20日 18時43分
-
3救急車のフロントガラス壊す・酔った患者の家族が暴行、消防隊への妨害が5年で96件…東京消防庁
読売新聞 / 2024年9月20日 16時48分
-
4官僚に聞いた「首相になってほしい人物/なってほしくない人物」。“高圧的”と噂のある候補は軒並み不人気
日刊SPA! / 2024年9月20日 8時54分
-
5日本海溝周辺の緊急地震速報、最大15秒遅くなる恐れ…9月24日~11月19日のうちの8日間
読売新聞 / 2024年9月20日 19時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください