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内閣支持率の上昇は一時的?

Japan In-depth / 2017年8月20日 23時21分

支持率が常識の範囲内の上昇に留まったのは菅官房長官、麻生副総理、二階幹事長らの旧秩序イメージの強い人物が中心に座ったままで、2世議員が目立ったことと「女性活躍」といいながら女性大臣は2人しかおらず、全体として清新さに欠けたからだ。国会答弁の安定さを求めてベテランを配したのだろうが、はつらつとした元気、エネルギーに欠けた内閣構成とみられても仕方あるまい。

■ まだ強い旧秩序イメージ

今後の国会で失言や「記憶にありません」といった木で鼻をくくったような答弁が多く出てくるようだと国会は荒れ、国民も期待はずれだったという感想をもつことだろう。「信頼回復のため丁寧に答え、結果を出していきたい」と言明した以上、森友、加計学園問題や南スーダンのPKO日報問題などについて国会閉会中であっても証人喚問などに応じ、退任した稲田前防衛相の国会審査出席などにも堂々と参加させてゆくべきだろう。もしこれらを全て拒否するようであれば、今回の改造は疑惑隠しととられよう。

それと何より重要なことは、経済再生の政策を明確にし、実行することだ。安倍首相は改造の度に「第一は経済の再生だ」といいながら、出てくる政策は日銀の金融緩和策と財政赤字を伴う公共事業による刺激策ばかりだ。金融政策は物価2%上昇を目標とした金融の量的緩和と低金利(ゼロ金利)政策ばかりで、実効はあがらず副作用が出始めている。財政政策は約束の消費税上げは延期が続き、財政均衡(プライマリーバランス)も遠のくばかりだ。

何より将来への期待が見えないため、日本の存在感はみえなくなり、株も上がらない。バブル時代は、マイナス面もあったが、国民は元気で、将来に夢を持ち世界からも日本は何かやってくれるという期待と存在感があって、これが株などを上げていたのだ。現在の株価(ダウ)は1990年前後の約半分程度。これでは元気は出てこないだろう。 ■預金残高は過去最高の1053兆円

特に大企業の対応がだらしない。利益は輸出で稼いでおり、内部留保は史上最高に近く、金融機関に集まった預金残高は過去最高の1053兆円に上っている。しかし設備投資、技術開発、賃上げなどにまわすことなく、せいぜいM&Aに利用するのが目につく位だ。

そのM&Aは行なえば一時的には、売上げ、利益が上がるものの成功例は少なく、数百億円単位以上の失敗例の方が目につく。かつてのように地味ながら時間をかけても開発に力を入れたり、従業員の士気をあげるため賃上げで報いたりしたらどうか。政府にいわれてシブシブ賃上げする“官製春闘”がはやるようではかつての日本の元気は出てこないだろう。

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