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スパイ小説大御所の新作話題沸騰!

Japan In-depth / 2017年8月28日 23時45分

だがソ連共産党政権が倒れ、東西冷戦が終わると、ル・カレも従来のスパイの戦いの材料がなくなるのではないかと懸念された。だが彼はテーマを中南米の独裁者や麻薬組織、イスラム・テロリストなどに変えて、さらに名作を世に出し続けた。

「ナイト・マネジャー」(1993年)、「われらのゲーム」(1996年)、「パナマの仕立屋」(1997年)、「シングル&シングル」(1999年)、「ナイロビの蜂」(2001年)、「サラマンダーは炎のなかに 」(2003年)、「ミッション・ソング」(2006年)、「誰よりも狙われた男」(2008年)、「われらが背きし者」(2010年)、「繊細な真実」(2013年)・・・・・など冷戦後のヒット作も数多い。

ル・カレのこうした作品は多数が映画化もされた。テレビの連続ドラマもイギリス、アメリカ両国で人気を集めた。

彼の作品の多くには、ジョージ・スマイリーという名の主人公が登場する。中年のさえない諜報員である。これらの小説は「スマイリー・シリーズ」とも呼ばれる。(写真4)

▲写真4 英BBCテレビドラマ「スマイリーの人々(Smiley’s People)」(1982年)のDVD(表紙:主人公のジョージ・スマイリー(George Smiley) 主演:アレック・ギネス(Alec Guinness)

そのル・カレ24冊目の小説として「スパイたちの遺産」(写真5)と題する作品を9月はじめにイギリス、アメリカ両国で発売することになった。内容は再び主人公をスマイリーとその元部下にして、スパイの世界での過去と現在のしがらみを描くという。

▲写真5 「スパイたちの遺産(A legacy of Spies)」2017年9月5日発売 amazon

アメリカでもすでに大手メディアがこのル・カレの最新作の刊行を大きく報道している。「トランプ政権のロシアの諜報機関とのつながりが疑われるいま、タイムリーな作品だ」(ウォールストリート・ジャーナル8月24日の記事)などという書評記事も出たほどだ。

ニューヨーク・タイムズも8月27日付の長文の書評記事で「スパイたちの遺産」を大きく紹介し、「東西冷戦時代のスパイの子供たちが政府の諜報機関に対して訴訟を起こすという本書の中心テーマが斬新だ」とほめる一方、「ル・カレの冷戦終結後の最近の作品と同様に本書でもアメリカがいまや好ましくない存在として描かれる点も興味深い」と皮肉な政治メッセージをも盛り込んでいた。

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