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高まる北朝鮮の脅威 憲法改正急げ

Japan In-depth / 2017年9月5日 12時0分

このように日本の対応はみなよその国との連携なのである。あるいは国連の利用なのだ。「断じて容認できない」と述べても、その言葉に実効を持たせる物理的な手段はない。

この点はアメリカと決定的に異なる。韓国とさえ異なる。アメリカも韓国も最悪の事態の場合には実力で北朝鮮の核やミサイルの攻撃能力を防ぐ手段を有しているのだ。だがわが日本にはそれがない。だから他の国と手を組む、つまり他の国に戦争や衝突の抑止の役を負わせることとなる。要するにすべて他国任せなのである。

いまの北朝鮮からの日本にとっての脅威は軍事的な脅威である。だが日本側にはその軍事的脅威を軍事的な手段で防ぐ仕組みがない。ミサイル防衛網というのがアメリカの協力を得て、配備されてはいるが、いざ北朝鮮が日本攻撃という態勢となれば、多数の弾道ミサイルを防ぐ方法はない。

日本は憲法によって自国の安全は自国の防衛手段ではなく、「平和を愛する諸国民の公正と信義」(憲法前文)を信頼することによって守ることをうたっている。国としてはすべての戦争も交戦権も武力の行使をも放棄し、陸海空軍などの戦力は持たないと憲法9条で決めている。

そもそも日本を占領中の米軍当局が「日本を永遠に非武装にしておくことを最大目的」(憲法草案を書いたチャールズ・ケーディス大佐の証言)として作った憲法なのである。

▲写真 チャールズ・ケーディス(Charles Louis Kades)大佐

北朝鮮は日本をはっきりと敵と断じて、その日本に向けてミサイルを発射し続け、核兵器をも攻撃や威嚇の手段として開発する。普通ならばその日本が自衛措置をとって、その種の軍事行動を抑えるだろう。相手は日本国の破壊を目的とする具体的な措置を次々にとっているのだ。

戦争をしてでも自国の要求や野望を達しようという国はその相手国が防衛や抵抗をしなければしないほど、侵略的となる。抑止力や反撃能力の少ない相手に対してほど戦争をしかけることが容易となる。

だから北朝鮮は日本を仮想敵として、危険な行動を次々にとるのだ。そんな危険な行動を抑えるためにはこちらも軍事能力を高めることが効果がある。ところが日本はそうした自衛のための抑止力の強化さえも、「平和憲法」なる非武装大典によって禁じているのだ。

中国の脅威に対しても同じことがいえる。日本固有の領土の尖閣諸島を奪取しようとする中国は日本側の防衛の能力や意思が少なければ少ないほど侵略を速め、広げてくる。だから日本を敵としてみる側にとって日本のいまの憲法はまさに好都合なのだ。

私はそのへんの日本の安全保障の構造を近著『戦争がイヤなら憲法を変えなさい』(飛鳥新社)で詳しく解説した。いま目前に迫った北朝鮮の脅威に対しても日本はやはり自国の防衛を自縄自縛するアメリカ製憲法を変えることが急務だと考える次第である。

トップ画像:北朝鮮 中距離弾道ミサイル「火星12号」 出典/Defense Blog

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