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「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道

Japan In-depth / 2017年10月1日 13時17分

▲写真 北朝鮮の弾道ミサイル「火星12号」 出典:CSIS Missile Defense Project

だが半藤氏はさらに安倍非難を続ける。

≪安倍さんは国連総会で、今は対話の時ではなく圧力をかける時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです。≫

とくに安倍氏に限らず、北朝鮮の核兵器開発に反対する側はもう20年近くも対話に努めてきた。だが北朝鮮は核武装放棄のための対話には一切、応じず、今日にいたった。だからこそ米国も日本も、圧力となったのだ。しかも国連でも圧力の象徴である北朝鮮への経済制裁に安全保障理事会の15ヵ国すべてが賛成した。

だが半藤氏は安倍首相の国際協調のその態度が日中戦争の際の日本軍部の南京攻撃に似ているとして、とてつもない連結の非難をぶつけていく。そして頻繁に「ヒトラーのドイツ」へと、いまの日本を重ね合わせるのである。

≪日本には唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたドイツのヒトラーと組んで三国同盟を結び、破局は導いた時代が脳裏に浮かびます≫

半藤氏はここでは北朝鮮の核武装を防ぐためにトランプ大統領の政策に同調することがドイツのヒトラーと組むことに等しいと断ずるのだ。

半藤氏はさらに安倍政権非難の歩を進め、安倍政権自体がナチスと同じだとも述べる。

≪(安倍政権は)集団的自衛権の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです。≫

▲写真 「死の門」・アウシュヴィッツ第二強制収容所(ビルケナウ)の鉄道引込線 Photo by C.Puisney

とにかく時代の違いも、国際情勢の違いも、無視して、いまの安倍政権を戦前戦中の軍部主導の日本に、さらにはヒトラーのドイツに、なぞらえるのが半藤氏の一貫した手法なのである。

では半藤氏は北朝鮮の核兵器の脅威に日本はどう対処すればよい、というのか。「被爆国として核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせる」と半藤氏は唱える。日本は「核戦争の悲惨さ」の訴えはもうさんざんしてきたではないか。だが北朝鮮の核武装の阻止にはなんの効果もなかったではないか。核兵器の保有をいまや国是として掲げる北朝鮮に「核戦争の悲惨さ」を言い聞かせて、核開発を止めさせるなど、妄想ではないか。

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