実社会からかい離 中国共産党大会
Japan In-depth / 2017年11月1日 10時8分
仮に、日本の自民党総裁がかくも内容のない概念を羅列し、それを「安倍晋三による新時代の日本の特色ある自由民主主義思想」として学習するよう強制したらどうなるか。恐らく、自民党は勿論、霞が関の官僚からマスメディアの記者まで、ハチの巣をつついたような大騒ぎになるに違いない。
中国共産党の党員数は公表8900万人だが、5年前は8000万位だったと記憶する。ということは、誰だか知らないが、この5年で一千万人近く増えたということ。そのうち党大会に参加できるのは約2300人。彼らの投票で中央委員約200名が選ばれ、 更に、この中央委員の中から25名の政治局員が選ばれる。
その中から25日に7人の政治局常務委員が選ばれたが、英語ではこの7人を「チャイナセブン」とは呼ばない。筆者の知る限り、英語でChina Sevenという言い方はない。China Sevenでは意味が通らないからだ。チャイナセブンは日本語であり、恐らく英語があまり上手でない人が使い始めたに違いない。
今回筆者が最も注目するのが王滬寧だ。彼の専門は国際関係、内政や地方行政の実務経験は殆どない。過去外交専門家が常務委員に就任した例は記憶がない。それどころか、外交部長はもちろん、副首相級の国務委員ですら、従来は党内序列で2ランク下の中央委員に過ぎなかった。これは何を意味するのか。
〇欧州・ロシア
30日にドイツの新連立政府作りの議論が再開される。そういえば、選挙は終わったのに、まだ連立の基本的枠組ができていないらしい。例の右派政党AfDの取り扱いで揉めているのか。しかし、揉めて当然だろう。他の国ならともかく、あのドイツで反EU勢力が出て来れば、欧州は本当に変ってしまうだろうからだ。
▲写真 独極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」フラウケ・ペトリー党首 Photo by Olaf Kosinsky
〇東アジア・大洋州
31日から11月2日までにはロシア首相が訪中する。4日から始まるトランプ氏アジア歴訪の直前だから実に興味深い。しかし、同氏が12日も自宅を離れるのも珍しい。既に東アジア首脳会議には不参加という話はあるが、もしかしたら、訪問を更に早めに切り上げるかもしれない。これが不確実性というものか。
▲写真 プーチン露大統領と習近平中国国家主席 BRICS Summit 2017年9月4日 出典:露大統領府
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