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トランプ大統領が非武装地帯に行かない理由

Japan In-depth / 2017年11月5日 8時45分

オバマ前政権の国家安全保障会議でアジア上級部長を務めたエバン・メディロス氏は「アメリカ大統領は米韓同盟の証としてアメリカの強い決意を北朝鮮に対して明確に示すことが必要であり、トランプ氏がこの際、北朝鮮を実際に肉眼でみられる軍事境界線に行かないことはマイナス面が多いと思う」と語った。

写真)エバン・メディオス氏 出典)LinkedIn Evan Mediros

民主党系の安全保障学者のジェフリー・ルイス氏は10月31日のインターネット・サイトに臆病さを示すニワトリの絵文字を載せて、トランプ大統領の軍事境界線訪問の見合わせ措置を批判した。

トランプ政権の高官は今回の決定について「歴代大統領の非武装地帯訪問はもうマンネリ化しており、トランプ大統領は米韓両軍の合同指揮所のあるハンフリー基地を訪れる予定だ」と述べた。

写真)ハンフリー基地 出典)U.S. army garrison humphreys (camp humphreys)

今回のトランプ政権の決定の理由について同政権内外の複数の専門家たちの間では、まず第一にはトランプ大統領の即興での言明がときに挑発的に過ぎて、北朝鮮軍部隊を目前にしてその種の失言の危険が指摘されている。

実際にブッシュ二代目政権の国家安全保障会議でアジア部長だったマイケル・グリーン氏も「トランプ大統領のように北朝鮮への軍事攻撃の可能性をも明言しているアメリカ大統領が北朝鮮への至近距離まで行ったことはない」とも説明した。

写真)マイケル・グリーン ジョージタウン大学外交政策学部准教授 flickr: U.S. Naval War College

第二には、トランプ大統領に対する北朝鮮からの実際の軍事攻撃への懸念があるという。北朝鮮部隊が偶然にせよ、計画的にせよ、目前に登場するアメリカ大統領に対して奇習をかける危険は完全には排除できない、というわけだ。

第三には韓国の文在寅政権がトランプ大統領の軍事境界線訪問に難色を示し、その旨をアメリカ政府に伝えたという説である。この韓国側の懸念は当然だといえよう。同盟相手のアメリカ大統領が自国を訪れている間は万が一の事態の危険を最少にしたいというわけだ。

写真)夫人とともに就任式に臨む文在寅韓国大統領 2017年5月10日 flickr: Republic of Korea

こんな背景からトランプ大統領の南北軍事境界線訪問はノーの答えが出たというのだが、さて自由奔放の言動が売り物の同大統領、韓国で果たしてどんな動きをみせるのか、まだ予断は許せないだろう。

トップ画像:韓国と北朝鮮の軍事境界線(DMZ) Photo by Henrik Ishihara Globaljuggler

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