地味な「検査」をないがしろにするな
Japan In-depth / 2017年12月30日 0時0分
日本はいつから認められている誤差の範囲まで細かく詰めようとし始めたのだろうか。モノづくり大国の名や、企業の矜持にかけて許される誤差であっても表沙汰にしたくなかったのだろう。しかし、モノづくりには“遊び”の部分を残しておくことも必要だといわれてきた。機械で寸分たがわない正確なものを作っても、完成品をみると、もうひとつしっくりこないものもある、とは職人さんらがよくいうセリフだ。
「最後は人の手ざわり、ぬくもりのようなものが大事になってくる」という人も多い。AIやITなど高度な機械が発達してくると、どうしてもそれに頼りがちとなるが、人間の感覚は決してバカにしたものではないのだ。
ある企業のトップは「技術や機械が発達してきたら、それに合わせて2、3年に一度は検査規準ややり方を一から見直す勇気も必要なんでしょうね」、と述懐していた。企業で一度、検査規準やマニュアルを作ると10年も20年も同じやり方を踏襲するケースが多いらしい。
これだけ世の中がすさまじいスピードで進化し、技術も変化してきているのに、案外、検査規準ややり方はそのままにしていることが多いし、人員配置も変えないケースがあたり前になっているという。検査は正確で確実な製品を出荷する時の最後の砦ともいえる。
研究開発や営業は花形職場だが、検査や点検の部署はなおざりにされやすい。最近の大手の不祥事の続発は、技術などの進歩に見合った検査体制までは見直さずに放置していたことが一因かもしれない。地味な仕事に光をあて、大事にすることも重要なのだ。
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