トランプ外交の限界か
Japan In-depth / 2018年1月5日 11時58分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2018#01(2018年1月1-7日)
【まとめ】
・イランの反政府デモ。非難の矛先がイスラム共和制に向いたとすれば新しい事態。
・金正恩党委員長が新年の辞。中国共産党の極秘文書報道もあったが信憑性なし。
・トランプ大統領、ターリバーンを支援するパキスタンを非難。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37907でお読み下さい。】
謹賀新年、今年も本コラムを宜しくお願い申し上げる。今年こそは希望に満ちた2018年となれば・・と思いたいところだが、どうなることやら?昨年は年初からトルコとイラクでテロ事件が起たが、今年は昨年末から続くイランの反政府デモが全土40以上の都市に拡大、一部が暴徒化して、既に20名以上の死者が出ているそうだ。
▲写真 イランの最高指導者ハメネイ師 出典:khamenei.ir
一方、アジアでは元旦に北朝鮮の金正恩党委員長が新年の辞を発表した。年の初めの試しとて、今回はその全文を読んでみた。日本語で9800字ほどの長い演説だが、1月2日には北朝鮮当局公式サイトに日本語版が掲載された。余程、我々に読んでほしいのだろう。ちょっと退屈だが、一読をお勧めする。
情報分析の基本は公開情報の読み込みだ。メディアは、「去年の特出した成果は国家核武力完成の歴史的大事業を成就したこと」であり、「核のボタンは机の上にある」などと米国を牽制する一方、「平昌五輪に代表団を派遣する用意もある」とも述たなどと報じたが、演説を読めば、金正恩の関心が国民の生活水準にもあることが分かる。
「私も核のボタンを持っている。より強力な。そしてそれは作動する!」
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/948355557022420992
▲トランプ大統領のツイート
昨年は予測不能と思われたことが次々と起きた。予測が外れたら、その理由を詳細に分析し、将来に備えるのがプロの最低限の責任だとも書いた。されば、今年も引き続き、筆者の課題は如何に「Unthinkable」を事前に予測できるかだろう。改めて、これから一年、お付合いをお願い申し上げる。
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