1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

仏、深刻な農業の地盤沈下

Japan In-depth / 2018年2月28日 7時0分

▲写真)フランスの畜産の様子 出典)国際農業見本市

中国産のリンゴやチリ産のキウイなど国際競争が激化する中で市場価格の下落に対抗する術もなく、毎日8時間から14時間の労働に加え、週末も働くという過酷な労働に耐える農業従事者。現状を受けて、親の仕事を継がないことを選ぶ若者が増え、それに加え安価な牛肉を輸出する南米との貿易協定に署名する場合、フランスは「20~25000戸の農場を失う」と推測されており、フランスの未来の農業の担い手の減少も心配されています。

またフランスで、中国企業が地価の安さと地方部の困窮に乗じて農地買収を進めているという懸念も広がっていますが、すでに、ワインを栽培するのシャトーでは現在100件以上が中国資本の手が入っていることは事実。

以上のようにフランスの農業は深刻な問題を抱えている中、Odoxaの調査によると、フランス人3人のうち2人以上(69%)が、マクロン大統領がフランス農村問題に関心がないと考えていました。そこで、関心がないというイメージを払拭する狙いもありマクロン大統領が若い農業従事者をエリゼ宮に招いたのです。

「希望をつぶやくためにここにいるのではない。改革を実行するためにここにいる。」

という言葉から始まった演説では、新設備投資などに対しての補助金を出すことを約束するとともに、心配されている安価な南米からの牛肉を輸入しないことや、海外投資家による農場買収の阻止につながる措置を講じる構えを述べました。

現在のフランスの食料の自給率は127%、農用地面積は国土の約52%を占め、農産物輸出額は、米国、オランダ、ドイツ、ブラジル次ぐ世界第5位の農業大国。

▲図)先進国の食料自給率の比較 出典)農林水産省

第二次世界大戦後深刻な食糧危機に陥ったフランスは、農作物生産増のためにここまで努力してきたのです。そして今後も継続が望まれるところ。国外との競争にどのように対応していけるか、マクロン政権での対応はとても重要となってきます。

▲写真)国際農業見本市会場に並ぶフランス産の食材 出典)国際農業見本市

パリ『国際農業見本市』では、そんな、忍耐と努力の上に作り上げられたクオリティー高い美味しい食材がフランス全国から集められ、それを求めた人々が各国から人が集まり大盛況。いろいろな苦境を乗り越えながらも守り続けているフランスの農業の伝統と味が楽しめるフェアーでもありますが、マクロン大統領をはじめとする、政治家たちの対応が注目される場にもなっているのです。

トップ写真:国際農業見本市(SIA)2018に参加するマクロン大統領

出典)エマニュエル・マクロン Twitter

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください