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南北「非核化ショー」に惑わされるな

Japan In-depth / 2018年3月9日 12時30分

 

写真)ミュンヘン会談から帰国後のチェンバレン首相 1938年9月30日

Public Domain:英国情報省

 

 

トランプ大統領の対北朝鮮圧力政策は効果を収め一歩前進した。しかしここからが正念場だ。トドメを刺さなければならないからだ。すべての問題解決で「最後の詰め」が勝敗を決めるカギとなる。「最後の詰め」が全プロセスの90%だと言っても過言ではない。すなわち、北朝鮮の核を廃棄させるこれからの戦いが90%残っているということだ。ここで手を緩めればこれまでの苦労は水の泡となる。25年間米国はそれを繰り返し失敗してきた。

 

今後米国がやらなければならないのは、手を緩めずに追撃し、核を完全に放棄させる作業である。金正恩が非核化の具体的行動を見せるまではアメを与えてはならない。交渉に入るとしても引き続き経済制裁と軍事的圧力を加え続ける必要がある。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「金正恩救出作戦」に惑わされて時間を与えれば米国は取り返しのつかない敗北を味わうだろう。

 

それと同時に、金正恩政権に対する「宥和政策」で韓米同盟と米日韓の民主主義同盟に亀裂をもたらし続けている文在寅政権を厳しく監視し続けなければならない。今回の「金正恩非核化ショー」には文在寅政権内の従北朝鮮勢力が深く関与していると思われるからだ。このショーについては、文在寅監督、金正恩主演、任鍾晳(イム・ジョンソク)・文正仁(ムン・ジョンイン)共同脚本、徐勲(ソ・フン)振り付けだという説もある。

 

今回、鄭義溶室長を団長に選び、米国に特使として送るのも、彼が米国好みの説明に長けているからだと思われる。トランプ政権がそれを見抜けるのか、そしてどのような対応に出るのかが注目される。

 

トランプ大統領は3月6日(現地時間)、ホワイトハウスでのスウェーデンのロベーン首相との首脳会談に先立ち、記者団に対して、「北朝鮮が肯定的に行動するように見えるが、今後を見よう。韓国と北朝鮮から出た発表は非常に肯定的だ」と述べたという。

 

その一方で、ホワイトハウスは同日、ペンス副大統領名義の声明を出し、「米国は交渉結果に関係なく北朝鮮が核計画を中止するまで最大限の圧力を加えることに力を入れる。すべての選択肢がテーブルの上にある」と明らかにした。対話基調は歓迎するが、金正恩が米国を満足させるほどの非核化の意志を明らかにしなかったり状況を変えるために奇襲挑発をしたりした場合、いつでも軍事選択肢に旋回できるということだ。完全な非核化がなされるまで北朝鮮に対する圧力を解かない考えを明確にした。ペンス副大統領のこの方針が堅持されれば北朝鮮の非核化は成功を収めるだろう。

 

編集部注:

3月8日13時(日本時間)に本稿が寄稿された後、米政府と韓国国家安全保障室長は、トランプ大統領が、5月までに北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談することで合意したと発表した。実現すれば現職の米朝首脳の会談は初めてとなる。

 


https://twitter.com/realDonaldTrump/status/971915531346436096

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