最新にして最大の掃海艦就役
Japan In-depth / 2018年3月16日 16時40分
UUV(Unmanned Underwater Vehicles)と呼ばれる水中ドローンも用意されている。自動で海底音波画像を撮影して帰ってくるREMUS(Remote Environmental Monitoring Unit)、目標機雷まで自力移動しカメラで目標を確認後に体当たり自爆するEMD(Expendable Mine Disposal System)も準備されている。海自はUUV装備ではやや遅れていた、それが「あわじ」型で欧州海軍に追いついた形だ。これらの最新機材は国内展開、海外派遣を問わず威力を発揮するだろう。
写真)掃海艦あわじ (「あわじ」型)
photo by Yokohama1998
■ 水中処分員運用
「ひらど」にはもう一つ重要な能力がある。
それはEOD(Explosive Ordnance Disposal)、水中処分員と呼ばれるダイバー運用機能だ。潜水服を着用して機雷を除去する隊員である。強靭な体力と安定したメンタルが求められる仕事である。海自ではパイロット、潜水艦乗員と並ぶエリートと目されている。
EODはなんでもできる万能兵器だ。機械ではできない仕事ができる。このため海外派遣ではEODの出番は増える。任務は機械で機雷を爆破処分するだけではない。
例えば機雷の回収調査はEODしかできない。テロとの戦いなら機雷の出どころが問題となる。「どの組織が仕掛けたか」を明らかにするには「どこ製の機雷か」が鍵となる。そして、そのためには機雷を船上あるいは陸上に回収する必要がある。
また機雷の水中移動もEODしかできない。民家や造船所、桟橋の近くに落ちた機雷はやたらと爆破処分できない。だから船が通らない安全な場所に集める、あるいはそこで爆破しなければならない。これも機械ではできない。
変わったところでは船底に取り付けられた時限機雷の除去もある。引き剥がすにはSWAGと呼ばれる小道具を使うが、これも上手に使えるのはEODだけだ。
「あわじ」「ひらど」はEOD運用能力でも優れる。支援機材等は従来艇と大差はない。だが船体が大きい海外等遠隔地での長期作業に向く。後甲板の作業スペースも広いため作業支援もしやすい。居住性向上もあるためEODほか隊員の疲労蓄積防止でも掃海艦艇では一番である。
なお艦長の相馬2佐はEODである。「ひらど」はEOD運用でも秀でた掃海艦となるだろう。
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