トランプ大統領、再選に向け本気モード
Japan In-depth / 2018年3月29日 18時0分
ちなみに、英国での元ロシア工作員の毒殺事件で、26日、米国はロシア外交官60人の追放に踏み切った。イタリアを除くEU主要国の制裁措置に倣ったものだが、日本はどうなのか。NATOメンバーとしての対応と日本は違うということなのだろうが、日本がこのままで良いのかは国会等での議論に値するだろう。
もう一つ、筆者が気になるのは26日から始まるエジプト大統領選挙だ。開票結果は4月2日にならないと発表されないが、シーシ大統領の再選は見えている。筆者がエジプトでアラビア語研修していた際の大統領選挙は得票率とサダト大統領への得票がそれぞれ95%を超えていた。あれよりはましと言うことか。そうではないだろう。
あれから40年、アラブの春なる幻想が一時一世を風靡したこともあったが、結局、民意で選ばれたムスリム同胞団の政権は統治能力の欠如を曝け出して崩壊した。エジプトの民意は熱し易く冷め易い。何十年経っても、安定した中産階級や市民社会は生まれない。やはり、エジプトは永遠であり、そう簡単には変わらないのか。
▲写真 エジプト大統領シーシ氏 出典 Russian Presidential Press and Information Office
〇欧州・ロシア
26日に英国のEU離脱問題の中でも敏感な問題であるアイルランドとの国境問題が議論される。26-27日にはアフガニスタン和平問題がウズベキスタンの首都で開かれる。27日からは中国外相が訪露し中露外相会談が行われる。米国務長官が不在の中、中露外交当局間の話し合いの内容が気になるところだ。
〇東アジア・大洋州
26日には上海エネルギー市場で人民元建ての原油先物市場の取引が始まる。どの程度定着するのか、無関心ではいられない。27日に日本財務省の佐川前理財局長が国会で証言する。この話は安倍政権の将来を占う意味で諸外国でも注目されている。29日にはミャンマーで大統領が選出される。
同じく29日に板門店で南北朝鮮会合が開かれる。4月1日には紆余曲折があったものの、結局は米韓合同軍事演習が月末まで実施されるという。空母が参加しないなど規模が縮小されたとはいえ、演習は演習だ。北朝鮮が今黙っているということは、北朝鮮が政治モードに入っているということ。北のプロパガンダに騙されてはならない。
〇中東・アフリカ
26日に韓国大統領がアラブ首長国連邦訪問を終える。エジプトの大統領選挙については冒頭触れた通り。30日にはパレスチナ地域で大規模なデモが予定されているが、米国によるエルサレム首都認定の悪影響はあまり感じられない。アラブ側も余りに長期化したイスラエルの西岸ガザ占領が当たり前になってしまったのだろうか。
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