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ザッカーバーグがぼやかす問題の本質 下

Japan In-depth / 2018年4月12日 11時0分

 

■ ザッカーバーグCEO専用の削除機能

こうしたなか、ザッカーバーグCEOとユーザーの決定的な力の格差は、さらに露骨な形で現れている。フェイスブック付属のメッセンジャーから、ユーザー受信者に何の通知もなく、ザッカーバーグCEOからのメッセージが削除された。過去の都合の悪い発言をなかったことにするため、受信者の許可も得ずに、自分のメッセージだけをユーザーの受信箱から削除したのだ。ユーザーにはないCEO特権である。

この件で非難の嵐が巻き起こり、フェイスブックは慌てて、この取り消し機能を一般ユーザーも使えるようにすると発表した。だが、後付け処置であることは否めない。

さらに、メッセンジャーでやりとりされた全てのメッセージや写真の内容を検閲し、児童ポルノなど違法なものを削除していることも判明し、同社の権力の絶大さが改めて認識されている。また、同社のアプリで「何かを許可しないと何かの機能が働かない」との表示が出て、本当は必要のないデータまでフェイスブックに渡す選択を強いる仕様が強い批判を浴びている。実質上「はい」の選択しかない「選択」など、選択ではないからだ。

オープンで民主的であり、「感情」が大切にされる交流サイトであるはずのフェイスブックの真の姿は、情報と権力の非対称性であることが明らかになってきた。のぞき放題、もうけ放題、やりたい放題、だがザッカーバーグCEOの情報は守り放題だと見られれば、ユーザーの理解を得ることは難しくなる。

 

■ 民主主義ITモデルの勝利か

こうしたなか、サンドバーグCOOが「広告ターゲティングの対象になりたくないユーザーのため、広告表示なしのフェイスブックを有償提供することも考えている」と発言した。

しかし、そのようなバージョンで個人情報の収集や分析が行われないのかについて、同COOは言及を避けた。また、フェイスブックの構造上、「友達」とのつながりや個人ページ閲覧のデータは蓄積されるため、やはりフェイスブックがユーザー以上にユーザーのことを知っているという構図に変わりはない。それを利用してフェイスブックが収益をあげても、それでも料金を課すのかを公表する必要があるだろう。

りそな銀行のチーフ・マーケット・ストラテジストである黒瀬浩一氏は、「(フェイスブックなど米IT大手の)競争力が低下する規制強化は回避されなければならない」とする。中国のデータ統制による非民主主義的な資本主義の統治モデルを勝利させないためである。

だが、民主主義を標榜する米国のフェイスブックは情報と権力の非対称性に特徴づけられ、構造的に一方通行だ。フェイスブックはオープンさと公平さと平等性において非民主主義的であり、中国の統治モデルと本質的に変わらないのではないか。ザッカーバーグCEOの議会証言は、同氏の論点そらしにもかかわらず、民主主義ITモデルの矛盾点を浮かび上がらせるものとなろう。

 (了。上の続き)

トップ画像:マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者 出典 Brian Solis

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