1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

南北首脳会談が触れなかった「人権」

Japan In-depth / 2018年4月28日 16時14分

だが民主主義や人権を体現するはずの韓国の文在寅大統領はこれだけの時間や言語を費やしながら、公表された範囲でみる限り、ただの一度も「人権」を口にしていない。長文の板門店宣言も「平和」とか「和解」とか「繁栄」という朝鮮民族の今後のあり方をさんざんに論じているのに、「人権」の一語がないのである。

この事実はこの南北首脳会談で日本国民の悲願であり、究極の人権問題である日本人拉致事件への言及がなかったことをも説明できるだろう。明らかに独裁国家の独裁支配者の金正恩委員長にとって、人権は決して語りたくないテーマなのだ。文大統領もその点を承知して、言及を遠慮したのだろう。まして北朝鮮に拉致された日本国民の人権をこの朝鮮半島の南北両首脳が心をこめて語るはずがない。

▲写真 拉致被害者家族と会う米トランプ大統領 2017年11月7日 出典 内閣官房広報室

だが朝鮮半島の将来を考えるうえでも、人権という概念は欠かせない。なぜなら、もし南北の統一があって、朝鮮半島に新たな統一国家が生まれるようなとき、その国家がどんな政治理念に立脚するのか、民主主義や人権尊重という普遍的な価値観の上に築かれる新国家となるのか、それとも人権は二の次、三の次の専制国家、弾圧国家となるのか。その分岐点は「人権」という概念なのだ。

今回の南北首脳会談の報道ではアメリカの一部のメディアや識者はこの人権という言葉の不在を指摘していた。今後予測されるアメリカのトランプ大統領と金正恩委員長との米朝首脳会談で、トランプ大統領が果たして人権に言及するかどうか、注視されるところである。

 トップ画像:南北境界線を越える北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長と韓国文在寅大統領 出典 韓国大統領府

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください