骨肉の師弟対決 見所満載マレーシア総選挙
Japan In-depth / 2018年5月5日 15時0分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・マレーシアの連邦下院選挙が5月9日に投開票。
・野党連合候補はマハティール元首相。ナジブ現首相との師弟対決。
・マハティール氏が勝てば、マレーシア初の政権交代、世界初の92歳の国家指導者就任に。
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マレーシアの連邦下院選挙が5月9日に投開票される。下院222議席を巡ってナジブ首相が率いる統一マレー国民組織(UMNO)を中軸とする与党連合・国民戦線に対し、野党連合・希望連盟が政権奪取を目指し、激しい選挙戦を現在展開中だ。
▲写真 ナジブ首相 出典 Malaysian government
■ 野党首相候補はマハティール元首相
このマレーシアの総選挙、いくつかの興味深い側面がある。まずはその顔ぶれだ。野党連合が担ぎだしたのはマハティール元首相。マハティール元首相といえば「日本に見習え」のルック・イースト政策で1981年から2003年まで22年間首相を務めた東南アジア屈指の政治指導者である。
▲写真 マハティール元首相 出典 Syrenn
政界を引退しながらもご意見番の長老として活躍していたが、現在のナジブ首相の汚職体質を指摘するも効果がなく、2016年にUMNOを離党、「首相、政権を倒す」ために新政党を作って政界復帰をしたのだ。
その敵役のナジブ首相は、かつてマハティール政権で国防相などの重要閣僚を務めたいわば「元身内」であり、今回の総選挙は師弟対決でもあるのだ。
さらに言えば、マハティール元首相を担いだ野党連合の主軸となる人民正義党(PKR)の設立者はアンワル・イブラヒム氏である。アンワル氏といえばマハティール政権の副首相兼財務相を務めた有力後継者の一人だった。しかしマハティール元首相を批判したことを契機に同性愛と汚職の容疑に問われて政界を追われ、骨肉の関係になった。「敵の敵は味方」ではないが、政権批判を強めてナジブ政権から敵視されていたアンワル氏とマハティール元首相は2016年9月、歴史的和解を果たしたのだった。ナジブ政権打倒という共通目的のために。
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