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国が支えるフリースクール フォルケホイスコーレとは? デンマークの「人を幸せにする仕組み」5(上)

Japan In-depth / 2018年5月6日 0時0分

▲写真 エグモント・ホイスコーレでの様子 出典 Egmont højskolen

▲写真 エグモント・ホイスコーレでの様子 出典:Egmont højskolen

「IPC(International People’s College)」と呼ばれるフォルケホイスコーレは、文字通りインターナショナルな雰囲気の漂う学校だ。通常のフォルケホイスコーレはデンマーク人9割、留学生1割と比率が決まっているが、IPCでは留学生の比率は90%を超える。国際交流を重きにおくこの学校では30か国以上の国から学生が集まり、授業はすべて英語で行われる。

▲写真 学校の外観。此処に教師と生徒が住む(IPCにて)©田中亜季

近年、デンマークのフォルケホイスコーレは、日本人や韓国人の若者に人気だ。「デンマーク 留学」と検索するとすぐにフォルケホイスコーレの名前がヒットするだろう。フォルケホイスコーレの学生から教師になった日本人もいれば、日本でフォルケホイスコーレを開講した地域も(※3)もある。

▲写真 西ノ島で開催されたホイスコーレ 出典:西ノ島ホイスコーレFacebook

フォルケホイスコーレに通った経験から言えることがあるとすれば、あの学校に感銘を受けるアジア人は多いと思う。フォルケホイスコーレでの体験は、カルチャーギャップそのものだった。「民主主義」を肌で、徹底的に、暮らしながら学んだ。そこのクラスメイトのうちの一人は日本へ一時帰国した後、別のフォルケホイスコーレへと通っている。

デンマーク人のフォルケホイスコーレ利用の理由はさまざまだ。趣味として刺繍を学びにきたり、シニアたちの行く学校では大人たちの休暇を楽しんだり。筆者がフォルケホイスコーレの若者たちに「なぜこの学校に来たのか」と尋ねたところ、「自分が将来やりたいことを探すため」という答えが一番多かった。

デンマークの学生の多くは高校卒業後にギャップイヤーをとり、お金をためて海外へ行く。そんな中、高校卒業後に海外へ行くのではなく、フォルケホイスコーレ進学を選択するのは、就職の難しいデンマークで、今後自分がどの方向へ進みたいのか真剣に考える学生が多いからだとの印象を受けた。

しかし一方で、近年、当のデンマーク人の利用は全体的に減少傾向にあると言われ、国内ではこの幸せな仕組みにも陰りが見えている。

次回は、フォルケホイスコーレに行ってみたいと思った人へのアドバイス「フォルケホイスコーレへの留学はお得?」をお届けしたい。

(下に続く)

 

※1:学費は無償だが、宿泊費、食費は必要。学校によっては留学生に奨学金が出る。

※2:学校によって、受け入れ基準は異なる。

http://www.danishfolkhighschools.com/prices-and-practical-information/children/

※3:西ノ島で夏の期間にホイスコーレが開校された。

https://www.facebook.com/nishinoshima.hojskole/?hc_ref=ARSVQnTlulBA4ETSzn4HzYV0YIqwb3X1KzWnE-ZlUMMFtUtyWm_4AWJt4CaeeRmWBZI

トップ画像:学校の野外でキャンプファイヤーをしながら語り合う(Krogerupにて)©田中 亜季

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