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防衛費2倍なら中国に屈したほうがよい

Japan In-depth / 2018年6月2日 11時0分

 

■ 防衛費2%で国は滅びる

そもそも今の日本にはその余裕はない。

防衛費は約5兆円である。18年度予算で5.2兆円であり国債費と社会保障費を抜いた一般会計予算のうち1/8、13%を占めている。

▲図 防衛関係費全般 歳出予算 出典:防衛省/我が国の防衛と予算 ( 平成30年度概算要求の概要)

2倍にすれば国民生活は破綻する。消費税を10%にしても足りない。消費税1%の税収効果は約2兆円でしかない。そして5%を8%に増やしただけでも空前の不景気となった。民力は疲弊の極にある。実質所得が下げ止まらない中、消費税10%以上に相当する負担増に国民は耐えられない。

到底、平時にできる選択ではない。今は戦時下ではない。強いて防衛費の負担増に耐えなければならない状態ではない。

それよりもやるべきことはいくらでもある。現状では安全保障よりも社会保障である。あるいは、今後の成長力確保を考慮すれば教育の充実、無償化等に費やすべきだ。

 

■ 中国と敵対できないなら味方になるしかない

その上で述べれば、別のオプションを検討しない点も問題である。

本当に平時防衛費が2倍必要であるとしよう。「現今の課題である中国との対峙を続けるためにはどうしても必要である」。誰もが疑いなくそう計算する状況となった。そう仮定しよう。

その場合においてバカ正直に対中対峙を続けるべきだろうか?

普通は他の選択肢を模索する。

一番良い方法は中国との関係改善だ。敵対できないなら味方にするしかない。普通はそう考える。

従属までは必要はない。中国に勝てないにせよ日本は軍事的には充分強力である。その点でフィリピン等とは異なる。中国も強力な日本に無茶は言えない。

つまり譲歩もほぼいらない。尖閣問題で形だけの譲歩をする程度でよい。その上で台湾を切り捨てる。南シナ海での優越的立場を認める。チベットほか中国国内問題に一切干渉しない。歴史問題に真摯に向き合う。それだけの話だ。

あるいは逆方向に核武装でもいいだろう。通常戦力を減らして少数の核を持つ。それで中国を直接抑止する。あるいは「中国との通常戦争に負けたら日本は核を使う」といった危機感を米国に与えて間接的抑止を作る。それで同時に国民生活を守るやりかただ。

 

■ 陸自を減らせば現状予算で対応可能

実際にはそこまでする必要もない。現状ある防衛費の無駄を省けば済む。

具体的には陸自予算・人員を半分にすればよい。なにより現状で陸自は何の役にも立っていない。対中対峙に関しては全く機能していない。それでいて海空自よりも多い予算を費消している。

その人員予算を半減させれば海空戦力は3割増にできる。中国との対峙に必要な軍艦も戦闘機も3割も増やせる。

それ以外の無駄も減らせる。海空自衛隊にも無駄がある。また平凡性能で高価格となるF−2戦闘機やC−2輸送機のような残念な国産武器開発をやめてもよい。他にも駐留軍経費の無駄や情報組織の無駄もある。

▲写真 F-2A 出典:U.S. Air Force Photo by Cherie A. Thurlby

それらを省いても中国との対峙は充分である。中国も既に人口オーナスに入っている。今後は低成長に喘ぐことになる。日本の少子高齢化が山を超える2050年くらいまでなら陸自削減で凌げる。

将来的には日中関係も改善する。互いに少子高齢化といった社会・経済問題を抱えている。安全保障では相互に「敵対できないから味方にするしかない」と考える可能性は高い。

トップ画像/防衛省 出典:photo by 本屋

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