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近視眼的な応援は不要 サッカー日本代表のカルテ その5

Japan In-depth / 2018年6月10日 11時0分

1次リーグを突破すれば自動的にベスト16とカウントされるわけで、日本代表はこれまで最高の成績が、このベスト16である(2002年、2010年)。


なにが起きるか分からないのがサッカーで、だからこそ面白いわけだから、競馬の予想屋じみた話はあまり書きたくないのだが、本田、長友ら主力選手のポテンシャルと、彼らが海外のクラブで残してきた実績を考えたなら、1次リーグで同組となったセネガルやポーランドは、決して勝てない相手ではない。


緒戦のコロンビアにはおそらく勝てない、と見切っても、残りを2勝なら文句なし、1勝1引き分けでも(この場合は得失点差によるが)十分に可能性がある。


ただ、劣勢のまま残り20分ほどになったような場合に、短時間に爆発的な攻撃力を発揮して、試合の流れを変え得るジョーカーのような存在が、今次の代表には見当たらない。つまりは守備が機能しなくなったら、3戦全敗も十分に考えられる。


私が言いたいのは、「どのみち、1次リーグを突破できたら万々歳、というのが今の日本代表のレベルじゃないか。みんな本当にそれで満足なのか?」ということだ。


国内最後のガーナ戦はひどい内容で、試合終了後にはサポーターから大ブーイングが起きたが、この時期の練習試合の結果など当てにならないことくらい、サッカー好きなら常識としてわきまえている。勝って天狗になるより、負けて課題が見えた方が収穫だとさえ言える。ただしこれは、ハリルホジッチ前監督についても同じ事が言えたわけだが、まあ、今さら戻せるものでもないので、ここでは置く。



▲写真 ハリルホリッジ前監督 出典:photo by Clément Bucco-Lechat


それもこれもひっくるめて、もしも今回、首尾よく1次リーグを突破したなら、たちまち「さすがは西野監督」といった掌返しがネットからマスコミまであふれそうだが、そんなことでサッカー好きを名乗って恥ずかしくないのか。


今年は奇しくも、Jリーグの旗が揚がって30年の節目の年である。


そしてこの間に、日本サッカーはワールドカップ6大会連続出場という偉業も達成した。


しかしながら依然として「アジア以上世界未満」との評価を返上できていない。ワールドカップ出場はもはやノルマのようなものであるとして、1次リーグを突破できるかできないか、と位置に、いつまで甘んじているつもりなのか。


昨年、サッカークラブの世界一を決めるクラブ・ワールドカップで、鹿島アントラーズがあのレアルマドリードを倒す一歩手前まで行った。最終的な勝敗までは覆せなかった、つまり地力では向こうがだいぶ上だったというのが、試合を見た私の感想だが、日本と世界との差は言われているほど大きくない、とも同時に感じた。


だからこそ、日本のサッカー界が今なすべきこととは、4年先、8年先のワールドカップを見据えて、優勝候補に名を連ねる、真の強豪国を目指すことではないのか。


そのために、今次はたとえ「無謀」とのそしりを受けても、思い切って20代前半の選手を集めてロシアに乗り込んで欲しかった。そしてなにより、サポーター・サッカー好きを自認する方々に訴えたい。目先の勝敗に一喜一憂するのではなく、もっと長い目で日本サッカーを見つめ、その未来を共に切り開こうではないか。


トップ画像/FIFAワールドカップ2014 出典:Gisele Teresinha


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