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インドネシア 大学内で爆弾製造 高まるテロの恐怖

Japan In-depth / 2018年6月23日 10時42分

 

■ 容疑者の卒業生はテロ組織のメンバー

6月2日、デンスス88は情報に基づき踏み込んだリアウ大学政治社会学部の学生会館で完成して起爆可能な即製爆弾(IED)4個と高性能爆薬、化学薬品、エアーライフル、手榴弾、弓2つ、矢8本などを押収した。同時に同大卒業生3人を逮捕した。

3人のうち、ムハマド・ヌル・ザムザム容疑者は中東のテロ組織「イスラム国(IS)」と関係があるとされるインドネシアのイスラムテロ組織「ジェマ・アンシャルット・ダウラ(JAD)」のメンバーとされている。

▲写真 デンスス88 出典:Indonesia'sEliteForces

3人は2002年~2005年にかけてそれぞれ同大の別々の学科を卒業、今年5月ごろから学生会館で寝泊まりをしながら爆弾製造、テロ計画の立案をしていたとみられている。インドネシアの大学では学生会館に卒業生が自由に出入りし、寝泊まりすることは通常で、周囲の学生、大学当局も不審感を抱いていなかった。

ザムザム容疑者は5月13日に西ジャワのチアンジュールで武器を搭載した車両で移動中にデンスス88との銃撃戦で殺害されたJADメンバーと関係があったという。

このことからJADが関与したテロのネットワークが大学にも拡大している可能性が高いとみられ政府、教育省などは全国の大学に学生、卒業生のテロ活動に警戒するよう指示を出した。

リアウ大学や北スマトラ州北スマトラ大学などでは大学構内での全ての学生、教授・講師陣の活動を午後10時までとし、学生会館への宿泊も認めない方針を打ち出した。こうした対応の一方で「キャンパス内でイスラム過激思想やテロ思想の拡散、テロ組織のメンバー勧誘や獲得、爆弾などの武器の持ち込みや所持を一切禁止する」方針を改めて示し、大学がテロの温床にならないように全力を挙げるとしている。

 

■ 政治の季節に向け、緊張高まる

インドネシアでは6月27日に統一地方首長選挙、8月10日に2019年の大統領選挙の正副候補の登録、2019年には大統領選挙と国会議員選挙と重要な政治日程を控えている。

現職のジョコ・ウィドド大統領が再選を目指して出馬する可能性が濃厚となる中、ジョコ・ウィドド大統領に反発するイスラム急進派を中心とした野党勢力が反政府活動を活発化している。

▲写真 ジョコ・ウィドド大統領 出典:Photo by Government of Indonesia

そうした反政府の動きと軌を一にするかのように、各地で爆弾テロや襲撃事件が続発し、治安部隊によるテロ組織メンバー、シンパの摘発が繰り返されている。

摘発に抵抗した場合には射殺も辞さないとの政府方針から銃撃戦に発展して、容疑者全員が現場で射殺される事案も発生するなど社会情勢は次第に緊張してきており、一般市民に加えて今後は大学構内の大学生に対する治安当局による取り締まり、大学キャンパス内での活動に対する警戒警備も厳しくなりつつある。

トップ画像/国立リアウ大学のキャンパス 出典:RiauUniversity

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