トランプ政権外交安保チームの惨状
Japan In-depth / 2018年7月18日 8時23分
トランプ氏の米国は最早、現状維持勢力ではない。現状破壊者とまではいわないが、これまで欧米のエリート層が育て守ってきた「自由で開かれた国際・国内秩序」(トランプ陣営ではこれを『ディープステート』と呼ぶ)を忌み嫌い、これに常に反発するという意味では、むしろ中露の発想に近いのかもしれない。
筆者が最も残念に思うことは、トランプ政権の外交安全保障チームの惨状だ。先週はポンペイオ氏を「本来保守強硬派ながら、北朝鮮の理不尽な態度に席を立つことも出来ない哀れな国務長官」などと失礼なことを書いたが、今週はトランプ氏の「殿ご乱心」を諫め修正すべき彼ら全員に、「君たちは一体何をしているのか」と言いたい。
▲写真 フィンランドを訪問するトランプ米大統領、ポンペイオ国務長官ら 2018年7月16日 出典:twitter @SecPompeo
これまで多くの前任者が正論を吐いて更迭されてきたことは事実だ。しかし、今彼ら、すなわちポンペイオ国務長官、ボルトンNSC補佐官、マティス国防長官以下、が声を上げなかったら、米国外交は間違いなく誤った方向に動き始め、後戻りが出来なくなる恐れがある。心ある識者であれば十分ご理解いただけるだろう。
もちろん、彼らからすれば、「そんなことは判っている」のだが、それを言ってしまえば、「いずれ更迭される」という恐ろしいジレンマがある。さて、読者の皆さんがポンペイオ、ボルトン、マティス各氏だったら、如何に振舞うだろうか。そもそも、こんな仕事を受けたのが間違いだったのではないか。やはり筆者はまっぴらご免である。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ画像:米露首脳会談 2018年7月16日 出典 ロシア大統領府
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