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タイ軍政の中国ご機嫌取りに国民激怒

Japan In-depth / 2018年8月13日 18時0分

このほかにチェンマイ空港8レーン、プーケット空港18レーン、ハジャイ空港10レーンと国内5空港に専用レーンは設置され、中国が「中国の一部」と主張する香港や台湾のパスポート所持者も同専用レーンを利用することが可能という。


タイ入管当局は「タイにとって最も重要な訪問客である中国からの観光客に対する私たちの親切と親愛の情を表すものである」と専用レーン設置の理由を説明している。


 


■ 専用レーンの背景にプーケットの事故


こうした「特別待遇」の背景には、7月5日に国際的な観光地プーケットの沖で中国人観光客を乗せた観光遊覧船が転覆し、中国人47人が死亡した事故がその一因となっているという。


この転覆事故ではタイ人名義で実質中国人が経営するという旅行会社のツアーで、出港当時に気象状況が悪いため出した警告を無視して事故に遭ったことなどから、タイのプラウィット副首相が「中国人が連れてきた中国人が亡くなった事故であり、気象警報無視が原因だ」と突き放したような発言した。


これに対し中国メディアが「無責任極まりないタイ政府の姿勢だ」「少なくとも事故原因の究明だけはきちんとやるべきだ」と猛反発が起きた。


この時期にはタイ北部で大雨のため洞窟内に取り残された少年サッカーチームの少年らの救出が国際的にも大きな注目を集め、遊覧船事故の中国人行方不明者の捜索にタイの全力姿勢が感じられない、と中国から捜索隊が派遣される事態になっていた。


こうした状況からプーケットでは事故後中国人観光客が19ホテルの7300室をキャンセルする事態に発展した。


「中国人観光客がいなくなり、ビーチは本来の静けさを取り戻した」と地元では歓迎する空気が生まれた一方で、観光業に依存するプーケットはキャンセルなどによる損害が700万バーツ(約2310万円)と深刻化、なんらかの対策を政府に求める観光業界の動きも始まっていた。(参照記事「タイで増える“嫌中” 中国は意趣返し?」)


 


■ 冷めた民間の対中国人感情


中国人観光客が激減したプーケットの様子を歓迎する声があったように、一般のタイ国民の中国人観光客、特に団体観光ツアー参加者への評判は相変わらず最悪だ。


所かまわぬ唾棄、痰吐き、立ち小便、喫煙に始まり列への割り込み、大声の会話、放歌高吟、ホテル備品の持ち去り、食べ放題レストランでの大量の食べ残し、公共建造物などへの落書と悪態は枚挙にいとまがない。さらに最近は無免許運転による事故、偽造旅券の使用とマナー違反、犯罪が多発している。タイ北部の仏教寺院の中には「中国人観光客立ち入り禁止」の看板を抱えたところもあるほどだ。


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