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米外交安全保障チームの体たらく

Japan In-depth / 2018年8月22日 14時46分

 文大統領が金委員長に対し「1年以内の非核化実現」を呼びかけたのに対し、金委員長も「はい」と同意したという。だが、それがどうしたというのだ。米国はその発言内容を確認できたのか。文大統領が述べているだけで、何の「非核化」かすら明らかではない。ボルトンの毒気はもう抜けてしまったのか。



写真)ジョンボルトン氏

出典)flickr:Michael Vadon


 


 そもそも、最近の米国の外交安全保障チームの体たらくは目を覆うばかりだ。時系列的に見ても、2017年1月の大統領就任から同チームの人事は猫の目のように変わってきている。具体的にはこんな具合だ。筆者だったら、一週間と続かないだろう。トランプ氏の下で働いている皆さんには心から同情する。


 



1、2017年2月13日フリン国家安全保障(NSC)担当大統領補佐官の辞任とマクマスター補佐官の就任


2、同年8月のケリー大統領首席補佐官就任とバノン首席戦略官の辞任


 この時点では、首席補佐官、NSC担当補佐官、国防長官がすべて現役または元軍人となり、それまでトランプ政権の外交・安全保障政策に振り回されていた同盟国関係者から安堵の声が聞かれるようになった。ところが、そうは問屋が卸さないのがトランプ政権だ。


3、2018年4月2日コーン経済安全保障会議(NEC)委員長辞任とナバロ局長の台頭


4、同年3月13日ティラソン国務長官の辞任と4月26日のポンペイオ長官の就任


5、同年3月22日マクマスターNSC担当補佐官の辞任と4月9日ボルトン補佐官就任



 


 これにより、トランプ政権の外交安全保障チームの陣容は様変わりし、トランプ氏好みのボルトン、ポンペイオ氏など保守強硬派が主導権を握るようになった。しかし、誰も今の大統領に意見する度胸のある者はいない。これ以上、犠牲者を増やしても、トランプ氏のスタイルは変わらないと諦めているのだろうか。恐ろしい話である。


 



写真)金正恩朝鮮労働党委員長と会談したポンペオ氏(2018年3月31日)

出典)The White House


 


〇 欧州・ロシア


 


 西欧は今週も本格的夏休みで特記すべき事項はないが、唯一、先週プーチン大統領が訪独に先立ってオーストリアに立ち寄り、同国のクナイスル外相の結婚式に出席したという。同外相は連立政権に入る極右・自由党の推薦で民間から外相に登用された人物。EU分断を図るプーチン氏の行動には全く無駄がないようだ。


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