米海軍士官学校の柔道部長退役
Japan In-depth / 2018年8月31日 18時0分
▲写真 退役式でリーズン大佐から感謝状を受け取るテデッソ中佐(左)真ん中の女性は桂子夫人 ©古森義久
イリノイ工科大学を卒業して、22歳で海軍に志願したテデッソ氏は戦艦「サウスカロライナ」の乗艦勤務などの後、海軍大学校で電氣工学の修士号を得て、さらに艦隊勤務を続けた。
その後は日本の横須賀米海軍基地の勤務や原子力空母「エンタープライズ」での乗務を重ねて、電氣工学の博士号を取得した後、2014年から海軍士官学校の教官となり、教授ともなった。そして50歳で定年の退役を迎えたわけだ。
退役式では上官、同僚、部下たちがそれぞれテデッソ中佐の長年の貢献を讃え、別れを惜しむ言葉を送った。同中佐はときには夫人の横須賀出身の桂子さんと並び、こうした式辞に耳を傾けていた。そして最後に感謝の意を表する挨拶をしたが、そのなかでは海軍士官学校の柔道部長としての責務についても熱をこめて語り、とくに近年の日本の柔道指導者を迎えての交流の意義を強調した。
▲写真 記念写真におさまるテデッソ夫妻 ©古森義久
テデッソ教授は2014年以来、日本側の柔道国際普及団体「柔道教育ソリダリティー」(山下泰裕理事長)や「東京学生柔道連盟」(白瀬英春会長)から海軍士官学校柔道部に送られた指導者や選手たちを迎えての米側との合同練習をアレンジしてきた。自分も柔道着をつけ、日本側の選手らと練習するほどの熱心さだった。
柔道教育ソリダリティーと海軍士官学校との柔道交流は2010年に本格的に始まり、世界の覇者の井上康生コーチがまず来訪した。その後、日本側では東日本大震災で米海軍が日本への救済支援として実行した「トモダチ作戦」への謝意をこめてという形で、毎年、塚田真希、熊代祐輔、奥村達郎、藤井岳、田知本愛といった男女の一流選手を海軍士官学校へ派遣してきた。テデッソ柔道部長はこれまで4年間、この日米交流の米側の責任者として同士官学校柔道部員30人ほどを指導してきた。日本側の柔道関係者にもテデッソ中佐の退役を惜しむ向きは少なくないだろう。
トップ画像:別れの挨拶をするテデッソ中佐 ©古森義久
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