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バリ島を辟易させる中国人団体観光客

Japan In-depth / 2018年10月24日 19時0分

中国系旅行代理店が手配した大型観光バスで中国人の通訳ガイドと一緒にバリ島内を移動し、食事は中国料理店で中国語のメニューから選んで食べ(当然だがほとんどが中国料理)、お土産は中国人が経営する店へバスで案内されて買い物、中国のクレジットカード「銀聯カード」などで支払を済ますのが定番となっている。


中国人が経営しているお土産物店で売っているものといえば、マットレスや雑貨、乳液などの化粧品、絹製品や宝石類とバリの特産物やインドネシア製品とは縁も所縁もないものばかりという。


ようするに地元バリ、バリ人には全くお金を落とす仕組みになっておらず、薄利多売ながらも儲かるのは中国人の会社ばかりという構図が浮き彫りになってきている。




写真)バリ島に伝わる舞踊劇「ケチャ」

出典)The Official Website of Indonesia Tourism


 


■州知事「『質のいい観光客』に来て欲しい」


 2018年6月の知事選で選ばれ、就任してまだ半年も経過していないイ・ワヤン・コステリ新知事は10月15日に「バリ州にとって観光収入は最も重要な財源の一つである。その観光産業を中国人観光客が牽引しているのも事実である」と指摘した上で、「しかし、バリ島は世界でも有数の観光地であり、決して安い観光地ではなく、安売りされるべきではない」とバリ島観光のあるべき姿に言及した。


 その上で「バリに来てホテルで寝ているだけではなく、ちゃんとお金を使って地元に落としてほしいのだ」と注文をつけた。さらにコステル知事は



「バリにはお洒落で品のいい観光客に来てほしい」



とまで言い切った。




写真)イ・ワヤン・コステリ知事

出典)Wayan Koster facebook


 


これは直接の名指しこそ避けているものの、基本的なマナーや行儀の欠如に加えて現地に一向にお金を還元しない旅行に徹している中国人観光客が念頭にあるのは誰の目にも明らかである。


こうした知事の姿勢には現地の観光業界、観光業者からは賛同の声が上がっており、業界関係者の間からは「どうしたらあのような超格安のツアー料金が設定可能なのか、一体何が起きているのか、事実関係を調査する必要があるだろう」という声も出ている。


その一方で、州政府や関係機関は無資格の中国人通訳、観光ガイド、そして無許可営業の中国人による土産物屋や物産店、さらに中国人経営のマッサージ店などを法律的に調査してそれ相応の処分をすることも検討するとしている。


世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシアだが、バリ島はヒンズー教徒が多く生活している。ヒンズー教の祭事が多く、バリ島のどこかで必ず毎日お祭りや宗教行事が行われているとも言われ、バリ島は別名「神々の島」といわれている。


しかし、その「神々の島」の雰囲気が所かまわず喫煙しては吸い殻をポイ捨てし、痰や唾を平気で吐き散らし、ヒンズーの宗教施設でヒンズー教徒が敬虔な祈りを捧げる隣で大声でしゃべりながらセルフィーを撮影しまくる、そんな中国人団体観光客によってかき乱されているのが現状と言える。


そこに今回の超格安ツアー問題が浮上して、バリの人々は



「世界から観光客にはぜひ来てほしいが、正直言って団体旅行の中国人観光客だけはもう勘弁してほしい」



というのが本音であるという。


 


トップ写真)伝統的なバリ舞踊

出典)Tiomax80 flickr



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