光るペンス副大統領の信頼感
Japan In-depth / 2018年11月21日 14時20分
当時の共和党にとって、数少ないワシントンを代表できるプロの政治家であるペンス氏は、文字通り多くの人にとって安心材料だった。実に運の強い人である。トランプ氏の側近が猫の目のように抜擢・更迭されていく中、ペンス副大統領のスタッフに内紛の噂は聞かれない。筆者は彼のこのような信頼感を強く買っている。
〇東アジア・大洋州
前述の通り、APEC首脳会議の首脳宣言は流れた。報道によれば米中間の貿易をめぐる対立が原因だと言うが、筆者は議長国のパプアニューギニアの力不足も間接的な理由ではないかと思っている。中国側は宣言採択の責任者である同国政府関係者に猛烈な圧力をかけたらしいが、それを無視できなかったPNGは実に哀れだ。
報道によれば、宣言が流れた理由はこうだ。宣言の原案にあった「保護主義と対抗する」といった表現に米国が強く反発。中国はトランプ米政権を念頭に「一国主義と対抗する」との文言を盛るよう求めたのに対し、米国はこの表現の削除を強く要求、更に中国を念頭に不公正貿易慣行撤廃を求める表現を盛り込むよう主張したらしい。
写真)APEC各国首脳集合写真
出典)首相官邸HP
前回も書いたが、上海で開かれた「中国国際輸入博覧会」で習近平国家主席は「中国は多国間貿易体制を支持し自由貿易を推進する」などと演説した。中国が「保護主義に反対」するなんて、殆どブラックジョークだと思ったが、やはりその結果が今回出たということだ。仮に米中が一時的に妥協しても、覇権争いは今後も長く続くだろう。
〇欧州・ロシア
このところ日露首脳会談で北方領土問題について2島返還を軸に交渉が進展する可能性に関する報道が乱れ飛んでいる。だが、筆者は事実関係が明らかでない現時点でコメントをすることは差し控えている。いずれにせよ、問題は4島か2島か、それとも2島プラス、かよりも、日本にとって戦略的に如何なる利益があるかとなるだろう。
〇中東・アフリカ
サウジジャーナリスト殺害事件は米CIAがサウジ皇太子命令説を流し始めた。これに対し同皇太子は勿論、トランプ氏もダンマリを決め込み、具体的なコメントを避けている。典型的なトカゲの尻尾切りで、このまま逃げ切るつもりだろう。今の米国トランプ政権にはサウジ皇太子を「切る」選択肢はあり得ない。これが悲しい現実である。
〇南北アメリカ
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