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判事「性暴行」騒動で米上院共和党勝利

Japan In-depth / 2018年11月26日 18時0分

2016年2月に死去した保守派のスカリア判事の後任にトランプ大統領が指名したゴーサッチは、作年4月、民主党の3議員も加わって54対45で承認されている。



▲写真 現在の連邦最高裁判事たち(カバノー氏就任前撮影)。後列一番右がゴーサッチ判事。出典:Collection of the Supreme Court of the United States, Photographer: Franz Jantzen


この時の民主党「造反」3議員は党から何の処分も科せられていない。それどころか、党幹部の積極的了承を得た上で賛成票を投じている。というのは、米議会では上下院とも、二大政党中、1議席でも多い方が全委員長ポストを得、議会運営の主導権を握る。民主党幹部にとっての至上命題は過半数の奪取にあった。民主党の「造反」議員らは、いずれも2016年にトランプがヒラリーを破った州の選出で、今年の中間選挙に改選期を迎えていた。地盤の弱いこれら議員が最高裁人事で保守層を怒らせ、討ち死にしてもらっては困るわけである。


それゆえ、トランプが今年7月に新たに指名したカバノー最高裁判事候補も、やはり54票前後の賛成で順調に承認されるものと見られていた。ところが、高校・大学時代の怪しげな「性暴行疑惑」が取り沙汰され、その空気に呑まれる形で、最後まで迷っていた民主党の3議員は結局反対票を投じた。


その3人は、今回いずれも落選の憂き目を見ている。世論調査によると、当該3州では、カバノーに反対票を投じた場合、現職を支持しないと答えた有権者の割合が他州をかなり上回っており、最高裁人事が選挙結果に影響したことは明らかだった。


カバノーを告発した女性たちの証言はいずれも根拠薄弱ないし著しく信憑性を欠く。クリスティン・フォードは、押し倒された現場の家にいたと自ら名を上げた3人の同級生がいずれも事実関係を否定、デボラ・ラミレスは、大勢がいる飲み会の場で顔に性器を押しつけられたと言うが、1人も証人がいない上、本人の記憶も曖昧、ジュリー・スウェトニクは、自分を含む少なくとも10数人の女性がカバノーらの高校生パーティで輪姦されたと言うが、被害を訴えた女性も目撃者も皆無な上、カバノー周辺に彼女を知る人物が1人もいない(スウェトニクはカバノーより3学年上で、当時大学生。なぜ高校生のパーティに出ていたのかも合理的説明がない)。



▲写真 米上院司法委員会広聴会で宣誓するクリスティン・フォード氏(2018年9月27日)出典:Ninian Reid(flickr)


詳細は別の機会に譲るが、こうした到底公判に耐えられないレベルの「被害女性の告発」を利用してカバノー承認を阻もうとした民主党の戦略ミスが、同党による上院奪還の野望を砕いたと言える。


トップ画像:最高裁判事に任命されたカバノー氏とトランプ大統領(2018年11月8日 ワシントンD.C.) 出典:The White House(Public dmain)


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