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ASEAN各国中国離れ加速~2019年を占う~【東南アジア】

Japan In-depth / 2018年12月28日 7時0分

タイの政治経済動向は進出している日系企業も多いことから、日本の関心も高く目が離せない。



▲写真 プラユット タイ王国首相 WTTC Global Summit 2017 出典:flickr  World Travel & Tourism Council


 


■ 国内治安対策が急務のフィリピン


ASEANの異端児でお騒がせのフィリピンのドゥテルテ大統領は、麻薬犯罪者への殺人を含む超法規的措置で国際的な非難を浴びながらもそれなりの麻薬犯罪抑制効果を呼び、国内的には依然として高い支持率を維持している。


それを背景に南部ミンダナオ島での戒厳令を2019年度末まで再延長することに成功し、経済低迷や南シナ海での中国の覇権に正面切って反対しない姿勢などに対する国民の不満を国内治安対策にすり替えて乗り切ろうとしている。


2019年はこうしたことから国内のテロ、反政府活動など社会不安が高まる可能性もあり、それを契機に反ドゥテルテ機運が拡大することも考えられる。


 


■ マハティール首相で安定 マレーシア


マレーシアはマハティール首相による自国利益優先、前政権の汚職体質摘発などで国民の期待に十分応える政治で、安定期を迎えている。中国にはっきりと「No」といえるベテラン政治家はASEANにとっても得難い存在で、その存在感はマレーシア国民のみならず、国際社会からも大きく評価されている。



▲写真 ドゥテルテフィリピン大統領とマハティール・ビン・モハマド マレーシア首相 出典:Philippine Presidential Communications Operations Office


 


■ 中国の「一帯一路」への対応が共通課題


東南アジアとの関係密接化で自らが唱える「一帯一路」政策を進めたい中国にとってASEANは東アジアと南西アジア、中東を結ぶ重要な位置を占めており、多額の経済援助と引き換えに港湾や道路・橋梁、公共交通などのインフラ、加工工場操業などで「拠点化」を次々と図っている。


しかし2018年にはASEAN各国も、中国の投資だけでなく建設に関わるノウハウ、部品調達、資材、労働力まで全て中国から「輸入」する手法や多額の債務返済による「経済占領」への警戒感が高まり、中国離れとまではいかないものの「1歩下がって様子をみる」傾向がさらに強まったといえる。


マレーシアのマハティール首相は中国が関係する大型プロジェクトの中止や見直しを打ち出し、インドネシアも新たな高速鉄道計画で中国より日本への期待感を示し、ミャンマーも中国の援助による港湾開発が「軍事基地化」する懸念を抱き始めている。


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