フィリピン世論 中国に警戒感
Japan In-depth / 2019年1月19日 18時0分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・フィリピン人が信頼するのは米日豪。中国に対しては警戒感。
・「反米親中」の印象、実は米中との距離で駆け引き図るドゥテルテ流。
・中間選挙ムードの間隙に中国が南シナ海で攻勢との見方。
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フィリピンのドゥテルテ政権が進める「米国離れ中国寄り政策」にも関わらず、フィリピン人が最も信用し頼りにしている国は米国で、中国に対しては「過度の信用は禁物」と警戒感を抱いていることが世論調査の結果から浮き彫りとなった。
世論調査は、フィリピンの民間調査会社「パルス・アジア」が2018年12月14日から21日にかけてフィリピンで1800人の成人を対象に実施したもので、1月15日のフィリピン紙「フィリピン・スター」などが伝えた。
その結果によると、フィリピンが今後さらに関係を強化するべき信頼する国として84%の人が米国を挙げた。これは2017年3月の同様の調査での回答79%を上回るもので、フィリピン人の米国への信頼度がさらに高まっていることを反映している。
米国に次いで信頼する国として日本が75%、オーストラリアが72%と続いており、日本に対するフィリピン国民の信頼度も高いことを示している。
一方、南シナ海でフィリピンと領有権争いをしている当事者でもある中国については信頼できるとしたのは60%で前回の63%より微減している。そして40%が「中国を過度に信用すべきではない」と回答し、警戒感を抱いていることも分かった。
▲写真 南シナ海での中国海軍の演習を観閲する習近平国家主席(2018年4月12日)出典:中国海軍ホームページ
■ 南シナ海での中国の動き活発化
フィリピンも領有権を主張している南シナ海の島嶼では、1月10日に衛星からの情報でミスチノフ礁やスビ島、フィリピンが実効支配するパグアサ島などの周辺で多数の中国漁船が活動していることが判明し、フィリピン当局は対応を検討している。
米ワシントンのシンクタンクが明らかにしたところによると、パグアサ島周辺では約10隻の大型漁船が確認されたという。この漁船群は数週間同海域に留まり、実際に漁業をしているのは少数の漁船だけという。
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