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反トランプ「ヘイトクライム」でっちあげ

Japan In-depth / 2019年2月22日 23時0分

 


この「事件」に対し国政レベルでは反トランプの立場を鮮明にして、来年の大統領選への名乗りをすでにあげた民主党のカマラ・ハリス、コーリー・ブッカー両上院議員らがまず激しい非難を表明した。襲撃を「トランプ支持の差別主義者による政治的リンチ」と断じ、「最悪のヘイトクライムだ」とも糾弾した。


 



▲写真 カマラ・ハリス上院議員は民主党の大統領候補に名乗りを上げている。 


出典:Public domain (Wikimedia Commons)


 


下院議長の民主党ナンシー・ペロシ議員も、情報特別委員長のアダム・シフ議員も、それぞれ、「トランプ支持派の非道な暴力行為」だとして、公式に非難声明を発表した。民主党やリベラル派をいつも支援する大手メディアもこの事件を保守派や、トランプ陣営を批判する形で大々的に報道した。あたかもトランプ政権自体がこの種のヘイトクライムを断行しているかのような非難だった。


 



▲写真 米下院議長のナンシー・ペロシ議員も事件を非難した 


出典:Public domain (Wikimedia Commons)


 


警察の捜査では、その襲撃の場面を捕らえたビデオはみつからなかった。被害者のスモレット氏の証言がほぼ唯一の手がかりだった。同氏が誰かに襲われ、負傷をした形跡は確実にみえた。


 


ところが警察は事件後1週間ほどで、事件現場からかなり離れた場所で2人の不審な男が歩いていく光景を写した録画を発見した。その男たちの居所を確定して、2月13日に事情を聞くと、まず2人はスモレット氏のトレイナーとその弟だと判明した。警察がさらに取り調べると、2人はスモレット氏から依頼され、謝礼金を受け取って、同氏を襲ったかのように行動していたことを認めた。つまり「ヘイトクライム」はスモレット氏の自作自演に等しい捏造、でっちあげだったのだ。


 


2月20日にはシカゴの大陪審が警察の捜査結果を受けて、スモレット氏を警察への虚偽通報などの罪で刑事訴追した。同氏自身は否認しているが、事件の捏造が証明された形となった。警察ではスモレット氏がドラマ出演での人気が下がり、キャストから外されることを恐れ、自分への一般の注意を一気に高めようと意図してのでっちあげ事件だとみているという。


 


この結果、前記のヘイトクライム非難の民主党の政治家たちはみなまちがっていたことが判明したわけだ。だがほとんどの人たちはトランプ陣営の非難や同陣営のこの事件への結びつき批判を取り消すこともなかった。


 


いまのアメリカではトランプ政権の非難はこのように事実に反したり、虚構の内容という例が多いのである。その虚構を厳しく批判するという動きもなかなか起きにくい。日本側でのトランプ・ウオッチに必要な教訓だともいえよう。


 


トップ写真:一般教書演説を行うトランプ米大統領(2019年2月5日) 出典:The White House facebook


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