1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

トランプに対北制裁破り勧める韓国

Japan In-depth / 2019年2月26日 11時0分


▲写真 文在寅大統領とトランプ大統領 出典:Flickr; Natig Sharifov


文大統領は、「南北間の鉄道・道路連結から南北経済協力事業までトランプ氏が要請するなら役割を引き受ける覚悟ができている。それが米国の負担を軽くすることができる道」と話した。


金正恩が新年辞で求めた開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開を促したのだ。開城工団再開は、国連安全保障理事会の制裁決議に抵触する面が強いので突破が困難だとしても、観光事業は直接禁じられていことから、なんとか金剛山観光だけでも解除させようとの狙いがあったと思われる。



▲写真 開城工業地区 出典:Wikimedia Commons; Mimura


しかし、トランプ大統領は「首脳会談に関するほぼすべてのことについて(北朝鮮と)議論した」としつつも、この件について特に反応を示さなかったという。


 


■ 準備させている合法的制裁破り案


韓国当局が検討している制栽破りの対北朝鮮経済協力案は、北朝鮮に表面上巨額の現金が渡らなくするとの方法だ。現行の対北朝鮮制裁では、北朝鮮に巨額の現金を与えるとそれが核とミサイル開発費用に転用されるとして禁じられている。


開城工業団地での具体的方法としては、北朝鮮労働者に賃金を直接支給または現物で支給するというものだ。賃金を北朝鮮当局ではなく第3者協議会等を通じて渡したり、食糧など人道的支援の意味合いのある現物で提供したりすれば制裁に抵触しないのではとの案である。


米国の対北朝鮮制裁強化法も「賃金と恩恵が勤労者に直接提供され、提供された賃金と恩恵を勤労者が保有する場合、制裁対象から除外できる」(Section9241b)とする例外条項を置いている。ちなみに開城工業団地では、雇用された北朝鮮勤労者の賃金や保険などのために支出する費用は、公団の稼動が中断された直前の2015年基準で年間約1億ドル(約110億円)となっている。


金剛山観光の費用も類似の方式で検討されている。現代峨山(ヒュンダイアサン)は50年間金剛山地域に観光客を誘致する代価として9億4200万ドルを与えることにしているが、これも巨額の現金が北朝鮮に流入することになるため国際社会の制裁に抵触することになる。また観光客が落とす現金も巨額だ。


これを回避する案としては、観光自体は制裁対象でないため、ビザの発給を受けるように観光客が各自現地で小額を支給したり、国際銀行などに預けた後、核問題が解決された時に一括支給したりする方法などが検討されている。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください