政界の工作員ストーンの沈黙 トランプ政権「行く人来る人」列伝4
Japan In-depth / 2019年3月11日 23時9分
▲写真 マリオ・クオモ氏 出典:Wikimedia Commons; Kenneth C. Zirkel
時にはケンカもしながらも、トランプはストーンの手を借りて2016年の大統領選挙に出馬することを本気で考え始めた。彼はしばらくの間「コミュニケーション顧問」としてトランプ陣営のスタッフに名を連ねていたが、やがて仲違いして去っていった…かのように思われていたが、実際のところは影の応援団長として動いていたのだ。
ストーンの役割はGuccifer 2.0と名乗るロシアの政府筋に近いハッカーとされる人物や、ウィキリークスのジュリアン・アサンジと連絡を取り、トランプの対立候補であるヒラリー・クリントンのEメールを盗み、タイミングを見計らってウィキリークスで公開することだったとされている。このEメールはクリントン陣営の選挙対策責任者だったジョン・ポデスタのメールアカウントから盗まれたもので、メール公開前にこの事実を知っていた目立ちたがりのストーンは2016年8月21日に「もうすぐポデスタが樽に入る(ひどい目にあう、の意)番だぜ」というツイートをしている。
▲写真 ヒラリー・クリントン氏 出典:Flickr; Gage Skidmore
そしてしばらくした2016年10月6日。アメリカのマスコミに携わる人間なら、この日どれだけ忙しかったかを語ることができるだろう。まず、オバマ政権が初めてロシア政府が大統領選挙の妨害をしようとしていることを発表したのがこの日だ。特に民主党本部のサーバーにハッキング攻撃を仕掛けていることが発表された。そして数時間後、ワシントン・ポスト紙が「女性なんてアソコを掴んで好きなようにできる」というトランプの発言が残る「ハリウッド・アクセス」というTV番組のテープを入手したという記事を載せる。これでトランプの当選はないだろうとされたその数時間後、今度はウィキリークスがヒラリー・クリントン陣営に決定的なダメージを与えるEメールを大量に投下した日だ。
▲写真 トランプ大統領 Laconia Rally(2015)出典:Wikimedia Commons; Michael Vadon
既にこの頃には、人種差別的な発言が原因でCNNやMSNBCといったTV局から出入り禁止になっていた目立ちたがりのストーンとしては、自分がこの渦中で好きなようにコメントできる立場ではないのがさぞ悔やまれただろう。
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