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トランプ苦慮2つの重大決断

Japan In-depth / 2019年3月17日 11時0分


▲写真 Paul Manafort 出典:Flickr; Victoria Pickering


 


これまでトランプはマナフォートを恩赦するともしないとも発表しておらず、検察側と和解せずに2度の裁判を終えたマナフォートを勇気ある人物だと評価するに留まっている。だが、マナフォートの判決を待っていたかのように、今度は連邦政府ではなく、ニューヨーク州検察が住宅ローン詐欺などで、マナフォートを起訴した。


 


もしトランプがここでマナフォートを恩赦しても、恩赦は連邦政府の罪状にしか適用されないので、州法で有罪になっても何の効果もない。さらに、いったん恩赦を受けた人物はその後、黙秘権は行使できないので、ニューヨーク州の法廷でも、さらには上下院の諮問委員会に召喚された場合でも、マナフォートは黙秘権を使えず、質問に答えなければならない。そしてそこで嘘をつけば今度は偽証罪の問われることになる。


 


マナフォートにとって望みの綱は、このニューヨーク州における罪状が、既に起訴された内容と同じと判断され、法廷で却下されることだけだ。アメリカの法制度では「同じ罪状で2度起訴されてはならない」という「ダブル・ジェパディー」という解釈が一般的だ。だが、「恩赦」というのは州政府による起訴事実がなかったことになるので、まっさらな状態で州政府がマナフォートを起訴するのは「ダブル・ジェパディー」に当たらない、という解釈だ。


 


いずれにしろ、選挙対策本部長という側近中の側近が有罪となったトランプの立場は苦しい。マナフォートが恩赦されることを期待して偽証を続けていたことも、ロバート・マラー特別捜査官の調査の中で報告されている。もし、トランプと彼の担当弁護士が側近に対し、恩赦をエサにトランプを守る証言をするように誘導していたという証拠が上がれば、それも前代未聞の大問題だ。その一方で、これから裁判に臨まねばならない他の元側近たちから、有罪になっても恩赦はないだろうと思われれば、元個人弁護士のマイケル・コーエンのように、マラー特別捜査官に全面的に協力するしかないと腹をくくる者も出てくるだろう。



▲写真 イバンカ氏とその家族 出典:Defense Visual Information Distribution Service


 


トランプは「大統領は任期中に起訴できない」という憲法解釈にしがみついているので、今から再選されることにご執心だ。だが、大統領個人はアンタッチャブルだとして、トランプの組織はどうだろうか? 表向きに今は子どもたちに運営を任せているとされる株式非公開の複合企業、「トランプ・オーガナイゼーション」の組織的な犯罪行為は、トランプの任期中に起訴できるか、という申請に対し、ニューヨーク州の地方裁判所は「イエス」という回答を出したばかりだ。このままいけば、自分の身の回りの者を恩赦するのがトランプの主な仕事になるかもしれない。


トップ写真:トランプ大統領とメラニア夫人 出典:Flickr; Boss Tweed


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