トランスジェンダーに断種求める法の改正を
Japan In-depth / 2019年3月22日 11時0分
記者会見に出席したNPO法人 東京レインボープライド 共同代表でトランスジェンダーの男性である杉山文野さんは、「精子提供を受け、パートナーの女性との間に子どもをもうけた。毎日、オムツを替えたり、ミルクをあげたりしている。そんな日常に幸せを感じている一方で、書類上では何の関係もないことへの不安も大きい。パートナーは戸籍上ではシングルマザーということになっている。僕に何かあった時に、子どもとパートナーはどうなってしまうのか。」と訴えた。
杉山さんは乳房切除手術を受けたが、子宮摘出手術は受けていない。「自分が手術をしたいのか、社会に手術をしたいと思わされているのかを何度も考えた。乳房は外から見えるし、常に自分の目に入ってくるので、耐えられず、切断した。子宮については、日常生活に影響がないので、手術をしていない。やはり、制度のために手術するのはおかしい。中には結婚するために手術を受けて後から離婚をして後悔する例もある。」
また、(不妊手術を受けていないことで戸籍上は男性になっていない)自身が子どもを持つことになった際に、メディアに多く取り上げられたことに触れ、「これだけ話題になってしまうのが今の現状。活動家になりたいと思っているわけではない。」、「多様化が重要。ルールが現実に合っていくことが大切だ。少しでも現実を知ってもらうきっかけになれば。」と話した。
子ども、パートナーとの関係・生活以外でも不自由は多い。杉野さんは戸籍上の性が女性であることで、入国できなかったこともあるという。
ここ数年でLGBTという言葉はだいぶ浸透してきたように感じる。筆者の周りでもLGBTであることを公表している人も多い。しかし、誰もが生きやすい社会にはまだまだ程遠い。愛する人と結婚し、子どもを持ちたい。そんな希望を持った時、誰でも当たり前に叶えることができる社会になって欲しい。
トップ写真:記者会見の様子 ©Japan In-depth編集部
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