露ゲートで米メディア対立激化
Japan In-depth / 2019年3月27日 18時0分
この要旨の解釈の仕方もCNNとFOXでまるで違う。その報道合戦のバカバカしさについては今週の産経新聞にコラムを書いたので、時間があればご一読願いたい。内政も大事だが、世界は米国抜きで動いている。米国の連邦議会議員やジャーナリズムの劣化は目を覆うばかり。やっぱり、日本にとっても対岸の火事ではないのだ。
今週は25日に筆者にとっては個人的に注目する大切な行事がある。外務省が今年度の「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」と「同全国中学生作文コンテスト」の特賞入選者8名を「奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団」としてニューヨークに派遣するのだ。
この事業は平成13年度に当時外務省国連政策課長であった故・奥克彦大使の発案で始まったそうだ。筆者も奥大使とは個人的に親交があったので、同大使の後任として2004年バグダッドに赴任したことを今でも決して忘れはしない。イラクの平和と復興を願いつつ殉職した奥大使と井ノ上正盛書記官のご冥福を改めて祈りたい。
〇 アジア
先週トランプ氏は米財務省が発表した北朝鮮に対する追加的大規模経済制裁を突然「撤回するよう命じた」とツイートし、関係者は大騒ぎになった。同日北朝鮮は開城の南北連絡事務所からの撤退を発表している。2月末の第二回首脳会談から一カ月経ったが、北朝鮮の非核化は一体どうなったのだろうか。
〇 欧州・ロシア
英国ではEU離脱に関し新たに国民投票を求める大規模なデモがあり、一部主要紙はメイ首相退陣を求めた。合意なき離脱は米国経済にも悪影響を及ぼすが、米国はロシアゲート一色だ。中国国家主席を迎えたイタリアは、米国などの反対にも拘わらず「一帯一路」構想に正式参加した。大衆迎合的民族主義を掲げる今のイタリア政府には欧米の警告など馬耳東風なのだろう。
〇 中東
先週木曜日、トランプ氏はゴラン高原に対するイスラエルの主権を認め、ポンペイオ国務長官は同高原の占領が安保理決議違反ではないと言い切った。エルサレムへの米大使館移転も大事件だったが、イスラエルによるゴラン高原の「支配」は「占領」ではないと言われると、さすがの筆者も「いい加減にしろ」と言いたくなる。国務長官がそんなことを考える根拠は一体何なのか。
▲写真 ポンペオ国務長官 出典:在スロバキア米国大使館
〇 南北アメリカ
南米ではベネズエラで混乱が続いている。先週木曜日には「暫定」大統領の最側近が家宅捜索の末、銃火器所持の容疑で拘束された。どうやらマドゥロ現大統領は「レッドライン」を越えつつあるようだ。以前トランプ氏は「全ての選択肢がオープン」と発言したが、どうするのか。これで何もしなければ次は「暫定」大統領本人に害が及ぶかもしれない。
▲写真 マドゥロ大統領(右)出典:Flickr; Cancillería del Ecuador
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:ロシアゲート疑惑のあった大統領選 出典:Flickr; Alex Hanson
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