東京都、ほど遠いスマート化 東京都長期ビジョンを読み解く!その67
Japan In-depth / 2019年4月8日 7時0分
■ ドバイの凄さ
ドバイでは、様々なAIを使ったスマートシティの取り組みが行われている。その取り組みを支えるのは理念である。(参考:OUR VISION IS TO MAKE DUBAI THE HAPPIEST CITY ON EARTH:私たちのビジョンはドバイを地球上で最も幸福な街にすることである【出典】スマートドバイHP)
画像認証技術を搭載した警察ロボ、遠隔医療などが実現され、現在は、空中タクシーの実用化、2021年までの政府の完全なペーパーレス化を進めている。さらに凄いのは世界の起業家を集める「アクセラレーターズ・プログラム」で事業化まで支援するなど本格化していることである。企業やビジネスの能力を公共や社会問題解決にいかそうという取り組みであり、そこでの発想は企業と官の協働である。水道民営化で民間より公共だ!と思っている人が大騒ぎした遅れた発想の国とは大違いである。
■ 神戸にも負けている東京
残念ながら、日本国内においても、東京が進んでいるとは言えない。筆者は神戸市主催の「自治体 × スタートアップ企業 GovTechサミット」に参加し(少し協力し)、ベンチャー企業が神戸市とコラボする姿を見てきた。さらに、データビジュアライゼーションのイベントも毎年行われている。「World Data Viz Challenge」という取り組みは地域課題をデータで明らかにしていく、可視化していくという取り組みである。企業や専門家などたくさんの方がプレゼンテーションを行う取り組みである。
▲画像 出典:神戸市「World Data Viz Challenge 2018」登壇の筆者
まさに、「オープンデータの蓄積・公開を推進し、市民・事業者とICTを活用して地域課題を解決するオープンガバメントを実践」という言葉が現実化しているといえる。東京都も「2020年に向けた実行プラン」事業の進捗状況【スマートシティ】を公開している。そこに書かれているのは以下のような取り組みだ。
・「東京都貨物輸送評価制度セミナー」を開催
・東京都使用済太陽光発電設備リサイクル検討会(第2回)を開催
・東京デザインコンペティション事業 東京ビジネスデザインアワード最終審査結果発表
・平成30年度 次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業支援プロジェクト決定
・東京ならではの特産品を開発する食品事業者を募集
・「東京版イノベーション・エコシステム」キックオフ・イベントを開催
この違い。
残念ながら、遅れているといっても過言ではないだろう。デジタル都市政策、スマートシティ・スーパーシティ政策を東京が主導しないと都民の幸福感もあがらないだろう。東京都に期待したい。
トップ写真:東京イメージ 出典:Max Pixel
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