北を悩ますハノイのトラウマ
Japan In-depth / 2019年4月18日 19時0分
高飛車といえば、今回の演説で金委員長は韓国を次のように厳しく批判したそうだ。「南朝鮮当局は、成り行きを見て左顧右眄し、忙しく行脚して差し出がましく『仲裁者』、『促進者』のように振る舞うのではなく、民族の一員として自分の信念を持ち、堂々と自分の意見を述べて民族の利益を擁護する当事者にならなければなりません」、と。
はるかに年下の金委員長にこれほどコケにされた文在寅大統領も可哀そうではないか。儒教の伝統はもうないのか、それとも金委員長の弱さの表れなのか。文大統領は先週米国でもトランプ氏にコケにされている。同大統領のレームダック化は意外に早いかもしれない。韓国大統領ぐらい割の合わない公職も珍しいと思う。
▲写真 文在寅大統領 出典:ロシア大統領府
〇アジア
米中貿易交渉と並行して15日から日米交渉も始まる。報道によれば米財務長官が「競争的に有利になる目的で通貨を操作させないようにする」と述べたそうだ。米国は同様の規則を盛り込んだ新北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでおり、日本とも「同じような為替条項を望んでいる」らしいが、冗談ではない。
こんな制限的条項など日本としては受け入れ難い。だが、米国の本音はこれをEUに認めさせた上で、最終的に中国にも認めさせたいのだろうから、決して対日妥協はしないだろう。この問題も含め、一昔前に大騒ぎとなった「数値目標」とか、「自主規制」とかで、再び日米貿易交渉が紛糾するを見るのは実に忍びない。
〇欧州・ロシア
米中、日米に続いて、欧州連合(EU)も15日に米国と正式な通商交渉を開始することを漸く承認した。EU加盟国は欧州委員会が提案した交渉権限を賛成多数で認めたが、フランスは反対票を投じ、ベルギーは棄権したという。欧州諸国は各国で利害が異なるので時間がかかったようだが、米EU交渉が長期化することだけは予測可能だ。
〇中東
先週のイスラエル総選挙は、何のことはない、ネタニヤフ現首相の勝利に終わった。勝因としては、トランプ氏の肩入れもさることながら、「中道会派を率いた元将校たちが、ネタニヤフの強硬策に対するリアルな安全保障の代案を示さなかったからだ」とNewsweekが報じた。これでパレスチナ問題の解決はほぼ永遠に失われるのか。
▲写真 ネタニヤフ首相(真ん中) 出典:ロシア大統領府
〇南北アメリカ
米民主党の大統領候補選びが佳境に入ってきた。最近は毎日のようにこれまで噂された候補者が出馬を表明している。その数は、数え方にもよるが、何と20人近くになった。ちょっと多過ぎるというのが率直な印象だが、これから暫くは新しい候補者が出馬表明するたびに各候補者の支持率が乱高下する星雲状態が続くのだろう。
〇インド亜大陸
インドで下院総選挙が始まった。先週お伝えした通り、4月11日から5月19日までの長丁場。パキスタンとの戦闘のお蔭でモディ現首相の支持率が急上昇した時期もあったが、どうなるだろうか。開票は5月23日だ。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:第2回米朝首脳会談 出典:The White House Twitter
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