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英国の紅茶から見る食と歴史

Japan In-depth / 2019年4月21日 18時0分

日本の刺身にせよ、かつては脂身の少ない白身ほど高級だと考えられていたので(今もそう考える人は結構多いが)、マグロのトロなどは下層階級向けだとされていた。


ベーコンエッグにソーセージや焼きトマト、豆料理などを盛り合わせたイングリッシュ・ブレックファストにせよ、前回述べた通り労働者階級向けで、中流以上の家庭では、朝食はあっさりしたものが好まれる。エリザベス2世女王の朝食は長きにわたって、パンとフルーツと紅茶だけであると聞く。


ヴェトナム戦争当時、米国の情報機関(CIAか軍の情報部かは不明)からホワイトハウスに、「ヴェトコン(南ヴェトナム解放民族戦線)は深刻な食糧不足の模様」という報告がもたらされたことがある。その根拠は、


「彼らはネズミの肉を食べている」というものであった。


インドシナ半島のかなり広い地域において、古来ネズミが日常的なタンパク源であることも知らずに、こんな情報に頼っていたのも、敗因のひとつではあるまいか。


スペインという国は、正しくはイスパニアと呼ばれるが、これは「ウサギの土地」という意味だ。代表的なスペイン料理であるパエリアなど、日本ではエビやイカを入れるものと思われているが、あれは「パエージャ・マリスコス=漁師のパエリア」というバリエーションで、本場アンダルシア地方では、ウサギの肉を使うのが正調とされている。



▲写真 ウサギの肉を使ったパエリア 出典:pixabay; RalfGervink


他にも、ウンチクを並べ始めるときりがないが、総じて言えることは、外国の食文化というものは、その歴史も含めて知識を蓄えて行かないと、正しい理解に至ることはできない、ということだ。


だからこそ楽しいので、食文化について調べるのはやめられないが、もっと楽しく、絶対にやめられないのは、各地を旅して美味しい物を食べ歩くことである。


トップ写真:コーヒーと懐中時計(イメージ)出典:pixabay; Pexels


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