金正恩の妹、金与正に異変?
Japan In-depth / 2019年4月23日 18時0分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・金与正が米朝首脳会談の演出を失敗。帰国後の宣伝でも失敗。
・金正恩の権威失墜。金与正は排除された可能性、との報道も。
・金正恩・金与正コンビに幹部は疑念抱き、住民は失望か。
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ハノイでの米朝首脳会談の決裂は、北朝鮮の金正恩委員長だけでなく妹の金与正の立場にまで影響を与えているようだ。
2018年の「平昌冬季オリンピック」から「4・27板門店南北首脳会談」「6・12シンガポール米朝首脳会談」「9・19平壌南北首脳会談」までの金与正の演出は、文在寅大統領の積極的な協力もあって、世界の注目を集めた。世界と韓国国民から忌み嫌われていた「暴君—金正恩」のイメージ払しょくにも大いに貢献した。
しかし米朝ハノイ首脳会談での宣伝・演出の失敗は、その功績を帳消しにしただけでなく、兄の金正恩委員長に大きな打撃を与える要因となった。
▲写真 金与正氏 出典:韓国大統領府ホームページ
こうしたことから「ビジネスインサイダー」(英字版)は、2019年4月16日付で「Kim Jong Un's 'princess' sister may have been kicked out of North Korea's ruling body, suggesting a fall from favor」(「金正恩の妹の“王女”は、北朝鮮の権力核心から退けられたかも知れない」)とのタイトルで、金与正の立場が弱まり権力中枢の政策決定集団から排除されたのでは、との報道を行った。
■ 未熟で妄想的な宣伝・演出手法
金正恩が妹の金与正をやすやすと遠ざけることはないと思われるが、もしもこの報道が事実なら一大事件である。確かにハノイ会談に臨む過程での金与正の宣伝と演出は、ちぐはぐさと未熟さが目立った。
まず非核化に関する国内外への宣伝で、本音と建前の使い分けが露骨だった。
対外的には米国非難の報道を控え、条件次第では核放棄に応じるかのような欺瞞宣伝をしていたが、国内での宣伝・教育では「核は絶対手放さない」「核保有したからこそ米国が降伏し会談に出てきた」などと真逆の宣伝を行っていた。こうしたプロパガンダを米国が察知しないわけがなく、それが金正恩の「非核化意思」に疑念を抱かせる要因にもなった。
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