人工肉バーガー、日本販売へ
Japan In-depth / 2019年4月26日 13時7分
実際に筆者がCarl’s Jr.のビヨンドバーガーを食べてみたが、これが豆からできているとは全く思えず、ジューシーで食感も肉に近く、ボリュームもあって意外とおいしかった。原材料を言われなければ、肉を使用していないとは、気づかなかったかもしれない。
▲写真 Carl’s Jr.の店頭 出典:著者撮影
▲写真 Carl’s Jr.のビヨンドバーガー 出典:著者撮影
世界最大のリサーチ会社「ニールセン」の調査によれば、植物性たんぱく質で作った人工肉のアメリカ国内年間売上高は、2016年3月から2019年3月の間で42パーセント上昇し、計8億8,800万ドルとなった。また、世界の人工肉の市場規模は、2020年までに52億ドルに達するとみられている。その背景には、健康志向、環境保全、動物愛護の高まりがあげられる。植物性たんぱく質で作った肉を使ってハンバーガーを作る場合、必要な水の99パーセント、土地の93パーセント、エネルギーの50パーセントを削減することができ、排出される温室効果ガスは90パーセント減少するという。
アメリカ食肉加工の最大手、タイソンフーズは、2016年競争力を維持する1つの方法として、代替タンパク源や食の持続可能性に投資を行うベンチャーキャピタル部門を立ち上げた。植物性由来の人工肉ビヨンドミートへの持ち株5%を出資した。また、今年末までに自社で、代替肉の販売をスタートすることを計画しているという。
人工肉ブームに対しては、ヘルシーで環境に優しく、美味しいという意見が多い一方で、通常のハンバーガーに比べると高いし、あっさりしていて少し物足りないと感じる人もいるようだ。また、アメリカ畜産協会の広報担当者は、「Plant-based meat(植物性の肉)という言葉は、消費者の混乱を招く。肉とは、伝統的な方法で、動物の肉からとられたたんぱく質食品にのみ使用される言葉だ。」とこの植物性人工肉の呼び方に反論をしている。現に去年5月アメリカのミズーリ州では、肉代用食品を「meat(肉)」として販売することが禁じられた。このような州法が施行されるのは、アメリカでは初めてだ。
▲写真 人工肉はPlant-based meat(植物性の肉)として売られている 出典:著者撮影
日本からは、三井物産がビヨンドミートに出資していて、今後日本での発売に向けて準備中だという。ダイエット食品市場が拡大している日本でも大きな関心を呼ぶのは間違いなさそうだ。
トップ写真:Carl’s Jr.店内 出典:著者撮影
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